大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



日本シリーズの西岡の守備妨害は本当に「悪」だったのか?

秋山監督の胴上げを今かと待つソフトバンクの選手の横で、和田監督が審判に猛抗議。過去の日本シリーズで、こんなシーンは見たことがない。西岡選手の最後のプレーは、後味の悪さだけが残ったというが……。

2014/11/08

text By



ルール上、ギリギリのプレーは責められなければならないのか?

 しかし、本当に西岡は責められ続けなければいけないのだろうか。
 実は不思議なことにプロ野球界からは西岡への批判が若干名をのぞいてそれほど聞こえてこない。

 確かに反則行為を犯したことは良くない。だがそれはあくまでも結果だ。

 西岡が意図的に狙ったのは反則行為ではなく「ルール上ギリギリのプレー」。

 ファウルラインの内側ではなくギリギリのところを走っていれば細川の送球が身体に当たっていたとしても主審は「守備妨害」を取らず、西岡の狙いは〝成功〟していた可能性も逆にあった。

 日本シリーズで阪神の対戦相手だったソフトバンク側の中にも、数年前までチームの中核を担っていた有力OBが「あの局面でこのまま併殺打で終わるわけにはいかないと考えるのはプロならば、むしろ当然のこと。それなら逆に批判を繰り返している人たちに聞きたいが、あのまま西岡が一塁へ全力疾走し、普通に併殺打で終わったほうが『美徳』と言いたいのだろうか。結果として反則をとられたのは残念だったが、ルール上ギリギリのプレーを狙ったことが悪いこととは思えない。おそらく私が現役ならば彼と同じことをやっていた。ああいう大一番でも怖気づくことなく最後の最後まで少ない可能性にかけようとした彼の心意気は十分買える」と口にするなど実際のところ西岡の擁護派は数多い。 

 明らかに飛球がショートバウンドしているにも関わらずダイレクトキャッチしたとアピールする野手や、投球が身体にかすってもいないのに「当たった!」と球審へ主張する打者はこれまで枚挙にいとまがなく、それらがジャッジに反映されてまかり通ってしまうシーンも幾度か見てきた。

 西岡が狙った「ルール上ギリギリのプレー」よりも、そういう「虚言動のプレー」のほうがよっぽど批判されて然るべきと思っているのは、実を言うと私だけではなくプロ野球界に数多くいることをどうか事実として知っておいてほしい。

1 2