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川端慎吾の成功で「最強2番」は球界のトレンドに。梶谷と鳥谷の2番構想は3番打者がカギ

昨年ヤクルトが優勝した要因の一つとして2番・川端、3番・山田、4番・畠山の打線が機能した点にある。今季はセリーグの複数の球団で2番に強打者を置く構想がある。

2016/02/17

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金本監督期待のキャプテン・鳥谷。2番起用で新猛虎打線のキーマンに

 DeNAと同じく2番に強打者を置きたい阪神は、実績のある鳥谷敬がその候補の一人である。キャプテンとしてチームを引っ張り、打線のキーマンとしての重責も担うことになる。金本監督はそんな鳥谷へ大きな期待を寄せている。

 今季35歳を迎える鳥谷は、すべての面でのキャリアハイ到達が目標だ。ノルマは20本、20盗塁。シーズンで20本塁打を記録したのは09年のみで、20盗塁に関しては一度も達成していない。11年連続フル出場を続けている鳥谷だが、金本監督いわく物足りなさを感じているようだ。

 鳥谷の持ち味の一つとして選球眼の良さがある。
 昨季の四球の数はリーグ2位の89個。一昨年の14年もリーグ2位の87個で、13年に関してはリーグトップの104個の四球を選んでいる。2番打者として四球を選んで出塁する姿勢は、クリーンアップに好影響を与えそうだ。

 ただ、やはり安心して3番を任せられる打者がいなければ、鳥谷の2番構想も幻に終わる。マートンが退団し、今季は打線の変革が求められる。4番に座るであろうマウロ・ゴメスの前を打つ打者が重要になってくるが、そこで候補に上がるのが新加入のマット・ヘイグだ。

 本塁打が期待されるゴメスとは対照的に、中堅から右方向への打球が持ち味であるヘイグ。鳥谷が2番に起用された場合、シュアな打撃で4番につなげる役割も期待される。機能すれば、猛虎打線の新しいかたちが生まれるかもしれない。

『2番はバントで送らせる』という常識は、金本監督の頭にはない。昨季リーグ最下位の465得点に沈んだ得点力のアップを狙う今季は、「超変革」というスローガンを掲げ監督1年目のシーズンに挑む。

 2番に強打者を置くスタイルは球界のトレンドになりつつある。今季はセリーグ6球団の監督全員が40代となるが、新しい時代の幕開けとなる16年は、2番打者の重要性がさらに増していくシーズンになるかもしれない。

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