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待望の高卒ルーキーが一気に3人も――!! 〝変革〟を感じさせた千葉ロッテのドラフト通知簿

秋、それはプロ野球にとっての出会いと別れの季節──。というわけで、〝戦力外〟という非情なる通告を受けた選手たちが続々とユニフォームを脱ぐ一方、今年も期待に胸膨らむルーキーたちの顔ぶれが出そろった。名門・京都大学から初のプロ指名を勝ちとった2位・田中英祐にメディアの熱視線が注がれるなか、我らが千葉ロッテのドラフト戦略には、ファンならば「意外!」と思えるほどの〝変革〟の意志も見てとれた。

2014/11/06

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千葉ロッテファン待望の〝高卒〟選手の指名

 他方、即戦力として期待の高まる大学生たち以上に、僕らファンにとっての〝朗報〟となったのは、3位、5位、7位でそれぞれ指名された将来性が楽しみすぎる3人の高校生──星稜・岩下大輝、大阪桐蔭・香月一也、健大高崎・脇本直人の存在だろう。

 なにしろ、育成枠を含めて3人以上の高校生が指名されたのは、大学・社会人/高校生のドラフトが再統一されて、育成枠が始まった08年以来のこと。

 あまりに指名をしなさすぎて、唐川侑己や益田直也、大地らのいる89年組が11人もいるのに対して、U-21世代は田村龍弘、二木康太、肘井竜蔵の3人のみという現状もあっただけに、それが一気に倍増すること自体が、僕らとすれば、まさしく〝事件〟。これはもう、千葉ロッテ球団がようやく本腰を入れて生え抜きの若手を育てる気になったと見ていいだろう。

 この夏、石川県大会決勝で星稜がみせた9回裏8点差からの大逆転という奇跡は、その表のイニングでふたたびマウンドに上がって3者連続三振に切ってみせたエース・岩下の強心臓から生まれたものだし、ポスト今江として大嶺翔太あたりをぜひとも脅かしてほしい。大阪桐蔭・香月は、名にし負う夏制覇の立役者。〝機動破壊〟を掲げて甲子園に旋風を巻き起こした健大高崎の脇本は、角中勝也を彷彿とさせるノンステップ打法と荻野貴司に匹敵する足をあわせ持つ……などなど、3人が3人とも、野球好きならワクワクせずにはいられない物語をもつ逸材なのも、うれしい限りだ。

 脇本が、同じ群馬でライバル関係にあった埼玉西武のドラ1・高橋と名勝負を繰り広げる姿は、今から楽しみでしょうがない。

 ともあれ、今年のドラフトに通信簿があるとするなら、投手3(右2・左1)、内野手2、外野手1、捕手1という、理にかなった補強ができたことに、「いつもよりアグレシッブだった」という部分を大幅に加点して、文句ナシの「5」をつけたい。

 そもそも、彼らを見出してきたのは、諸積兼司(中村&脇本)や小野晋吾(岩下)といった、僕らが愛してやまなかった元マリーンズ戦士のスカウトたち。

 それを聞いたら、もう応援しない手はあるまいよっ!!

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