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『ミラクル星稜』再び――右ひじ手術のロッテ岩下を支える言葉【マリーンズファーム通信#9】

『ミラクル星稜』の立役者の一人だった岩下大輝。プロ1年目オフ、その岩下の右ひじが悲鳴を上げた。右肘内側側副靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けて、長いリハビリが始まる。

2016/02/02

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池田寮長の言葉

岩下の傷
「おい、ホテルまで歩いて帰ろうや」

 練習を終え、帰り支度をしていた岩下大輝投手は、呼び止められた。声の主は池田重喜寮長だった。プロ入り以来、誰よりも身近にいて、昨年11月6日に右ひじを手術して以来、親身になって心配をしてくれていた。

 キャンプ前日のことだった。自主トレのため、石垣中央運動公園野球場にて体を動かし終えた岩下を、今年5月1日で70歳になる寮長は誘った。

「オマエがなんぼ焦っても、どうにもなるもんではない。治るまで待つしかないよ。ただ、治ってからが勝負だね。治るまでにどんな準備をして、いざチャンスが来た時にどれだけ、それをモノにできるか。今、野球ができないのは悔しいかもしれないけど、だからこそ今、できる事をしっかりやるんだ」

 球場からホテルまでの40分の道のり。孫に話しかけるように、優しい声で言葉を選びながら励ましてくれた。

 球場での自主トレ中、岩下の目の前で新たに入ってきた1歳年下にあたる高校生ルーキーたちが伸びのあるボールでキャッチボールをしていた。平沢大河、成田翔、原嵩。甲子園を沸かせた注目の選手たちが多数の報道陣に囲まれる中、黙々と体幹トレをこなした。

 その姿を見ていた池田寮長は帰りの散歩に誘った。岩下も笑顔で応えた。その心配りが、ありがたかった。見守ってくれている人たちがいる。この手術でその存在を確かに感じることができた。そして、復帰した時には、その想いに応えたいと思った。

【次ページ】小野コーチの言葉

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