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栄光はすでに過去。松坂大輔、怪物復活へ――自主トレ公開に見えた『自信』

ホークスが2連覇を飾った2015年。しかし、松坂大輔は全くチームに貢献できぬまま、国内復帰1年目を終えた。2016年、怪物復活なるか。

2016/02/01

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し烈なローテーション争い

 しかし、今のホークス投手陣は鉄壁だ。2016年先発ローテの有力候補には昨季の成績と照らし合わせると、チーム最多の13勝をマークしたエース格の武田翔太に5年連続2ケタ勝利の攝津正、9勝無敗のリック・バンデンハークに同じく9勝を挙げた中田賢一の4人が揃う。
 
 普通に考えれば、ローテは5枠。この争いにメジャーから5年ぶりに復帰する和田毅(前カブス)、今季から先発転向を目指す千賀滉大、昨年8月に受けた左ひじ手術からの復活を目論む大隣憲司も加わる。
 本格的な一軍定着が望まれる岩嵜翔と東浜巨、そして15年目を迎えるベテランの寺原隼人もローテの座を奪いに来るだろう。
 
 12球団の中でも群を抜くし烈な〝内なる戦い〟に松坂はまず勝たなければいけない。これはとにかく至難の業だ。西武、レッドソックスで頂点を極めた栄光は、もう過去の話。今季の開幕ローテに入る上で判断材料にはならない。言うまでもなく、本人もそれを肝に銘じているだろう。
 
 松坂が「100%」になった右肩を駆使し、キャンプ、そしてオープン戦で工藤監督ら首脳陣を驚かせるような投球を見せれば、おのずと信頼も取り戻せる。リハビリばかり繰り返すような痛々しい「元怪物」の姿など鷹党だって、もう二度と見たくはないのだ。
 
 だからこそまだ一度も立ったことのない本拠地ヤフオクドームの先発マウンドにおいて今季こそは巨額契約に見合うような力強い投球を見せなければならない。
 
 怪物復活――。
 それが今季正念場を迎える松坂に課せられた最大のテーマである。

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