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【PR】「二度と書けない」1冊。今のベイスターズは新風吹き込むエリート集団と“もののけ”との壮絶な戦い<村瀬秀信氏インタビュー#2>

このたび、『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ 涙の球団史』(双葉社刊)が文庫化された。著者・村瀬秀信氏がこの書籍を通じて野球ファンに伝えたかった思いとは――。2回目は文庫版の見どころを中心に話を伺った。

2016/01/30

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文庫版最大の見どころは村田修一インタビュー

 巻末にかけ単行本が発売された以降の戦績を考察した『243敗の追記』があり、さらに文庫版最大の見どころである『村田修一が見ていた世界』へ繋がっていく。
 
 村田はベイスターズの親会社がTBSからDeNAに変わった2011年に巨人へ移籍している。契約更改後、巨人の球団事務所で行われたインタビューは緊張感と重い空気に包まれ、行間からは村田はもちろん村瀬氏の苦しい胸の内が伝わってくる。
 
「村田選手は数年前の中心選手ということで単行本に記載したかったのですが、当時は都合があわず話が聞けなかったんです。文庫化するにあたって必要な人物だということはわかっていたのですが、もしかしたら彼を入れることで完結していた本の世界観が壊れてしまうかもしれないといった危惧もありました。良し悪しは別にして、存在感が大きいですからね。でも聞いて正解でした。彼もやはり横浜で優勝したかったし、例のごとくそこにはボタンの掛け違いみたいなものがあった。そんな村田選手の伝えきれなかった思いを代弁してくれたのが桑原義行さんでした」
 
 桑原氏は村田の大学時代とベイスターズ時代の後輩にあたり、本書では元・村田一派の一員として当時の様子を証言している。現在桑原氏はDeNAの二軍マネージャーとして、若い選手たちをサポートする日々を過ごしている。
 
「桑原さんは真っ直ぐで性格がいいんですよ。だから正直に村田選手の言葉や想いを補完してくれた。まるでパラレルワールドのような話でしたが、うまくハマったかなと」
 
 最後は伊野尾書店店長の伊野尾宏之氏とクレイジーケンバンドの小野瀬雅生氏の横浜愛と滋味あふれる名解説でこの本は華麗なるエンディングをむかえる。

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