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目立った補強なし。ライオンズの課題は控え選手の底上げ――外国人選手の働きがポイントに

2016/01/11

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ショートは誰に?

 一方の野手陣では、現在のところ新外国人の獲得はなし。
 昨季リーグ2位の打率.263の打線に自信を持っていることと、キャンプインからの体重オーバーで打率.235に終わったエルネスト・メヒアの復調を見据えてのことだろう。投打別に日本人戦力を見渡すと、確かに投手陣のほうが駒不足だ。今後新外国人の獲得があるかもしれないが、予算を弱点のカバーに振り分けたように見える。

 そこで打線のポイントとなるのは、メヒアともに昨季不本意な成績だった浅村栄斗、栗山巧だ。浅村は左肩の手術でキャンプでの調整が遅れた結果、シーズン途中で打撃を崩し、打率.270に終わった。栗山は開幕直後から打率1割台に低迷し、.268でシーズンを終えている。上位打線を担う二人が力を発揮できるか否かで、打線の厚みは一気に変わってくる。

 脇谷の穴をいかに埋めるかもポイントになる。シーズン序盤に代打、守備固めとして起用されてきた脇谷はチームの駒不足からファースト、ライトで先発として起用され、勝負強い打撃を見せた。現状、こうした役割を果たせそうな選手は見当たらない。そんなチームが脇谷の穴を埋めるには、両ポジションでレギュラーを獲る新戦力の台頭が必要だ。

 ファーストで期待されるのは長打力に優れる山川穂高だが、打撃、守備ともにまだ荒く、ポジションをつかめるかは未知数。現実的にはメヒアをファーストで固定し、指名打者で森友哉を使っていく選択になるだろう。ライトでは木村文紀と坂田遼を筆頭候補に、斉藤彰吾、田代将太郎にも期待がかかる。なかなかレギュラーの固まらないショートでは、ベテランの渡辺直人と鬼崎裕司から、金子侑司、外崎修汰、永江恭平がどれだけチャンスを奪うことができるか。

 チームを俯瞰的に見ると、投打ともにレギュラークラスのレベルは高い一方、控えクラスの力が離れ、駒不足は否めない。フロントの後押しが少ない以上、現場の選手たちと指導者がいかに底上げしていけるかが、チームの浮沈を握る。

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