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新井貴浩と福浦和也、野球人生をかけた「2000本安打」への挑戦【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は2000本安打についてだ。

2016/01/09

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着実に安打数を積み上げてきた二人

 キャリアも所属リーグも違う二人は、おそらく当人たちも気づかないうちに、実は通算安打数で激しいデッドヒートを繰り広げている。
 二人の通算安打数の推移だ。
 
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 福浦和也は1993年、習志野高からドラフト7位でロッテに入団。その年の最下位の指名だった。投手から野手に転向し1997年に一軍昇格。その後、レギュラーに定着した。2001年には.346で首位打者を獲得し、リーグを代表する打者へ。2003年にはNPB歴代2位の50二塁打を記録した。
 
 打撃とともに注目されたのは一塁守備だ。やわらかいミットさばきで難しい打球も難なく処理。2003年にはゴールデングラブ賞を受賞。この年はリーグトップの101補殺(打球を処理し他の塁に送球した数)を記録。守備範囲の広さにも定評がある。
 
 新井貴浩は、駒澤大学から1998年ドラフト6位で広島に入団。1年目から一塁手として出場すると、2002年には28本塁打を放ち、打率.287の75打点で正三塁手の座を奪い、オールスターにも選出された。その後は一塁手、三塁手と、なかなかポジションといかなかったが、チームメイトの金本知憲が阪神に移籍すると2005年には本塁打王に輝くなど、主軸打者として活躍。
 2008年にFA権を行使し、新井も阪神へ。移籍後も打点王を獲得するなどセリーグを代表する打者として活躍している。
 
 通算安打数は2004年の時点では福浦が1033安打、新井が492安打。大差があったが、福浦が2010年以降DHや代打が多くなり、出場機会が減ったためレギュラーで出場していた新井との安打数の差は急速に縮まった。
 
 しかし2014年には新井もレギュラーを外れ、43安打にとどまる。このオフには阪神を自由契約に。福浦と新井の差は11本にまで縮まった。
 
 2015年、新井は広島へ復帰し117安打を記録した。そして通算安打数で福浦を抜いた。
 福浦の安打数は年々減少していたが、2015年は47安打を記録。勝負強い打撃は健在だ。

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