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【MLB】異例の多額な出来高適用。前田、ドジャース合意も「いびつ」な契約内容の背景

元旦に米メディアが一斉にカープの前田健太とドジャースが合意したと一斉に報じた。

2016/01/04

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契約内容は何を物語るのか

 元旦に飛び込んできたニュースだった。
 ドジャースが広島・前田健太と8年契約に合意したと、米メディアが報じた。詳細は明らかになっていないが、8年総額2500万ドル(約30億円)で、多額の出来高が設定されている、という見方が強い。
 
 出来高に関しては、1年あたり1000万~1200万ドル(約12億~14億4000万円)ともされる。仮に全てのシーズンで基準をクリアすれば、計算上は最大額1億2100万ドル(約145億円)にのぼることになる。
 
 前田は当初、5~6年契約で、総額6000万~8000万ドル(約72億~96億円)前後が相場と目されていた。基本年俸だけ見れば随分安く抑えられたが、出来高分を全て含めればそれ以上の金額となる。とはいえ年俸分を大幅に上回る出来高は、故障を抱えるベテランなどに適用されることがある程度。27歳と若い右腕には「いびつ」な契約に映る。
 
 理由はいくつか考えられる。まず第一に、ここ数年日本球界から挑戦した投手が、故障に苦しみ続けている歴史がある。
 
 14年の田中将大(ヤンキース)の右肘じん帯部分断裂のほか、昨春にはダルビッシュ有(レンジャーズ)が右肘手術。それ以前も松坂大輔、和田毅、藤川球児らが右肘手術で離脱を余儀なくされた。
 特に先発投手は、日本時代の中6日の「週一」ローテーションではなく、時には中4日が続く過酷な登板を強いられる。ここ数年の故障渦が、日本投手のブランド価値を下げているのは確かだ。
 
 故障だけでなく、前田健には米球界での実力が未知数というリスクもある。しっかり先発ローテーションを守って1年間投げ抜けば相応の報酬は約束するが、全ては結果次第だよ、という意思の表れだろう。

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