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最下位の楽天。来季は投手力中心、外国人打者に依存しないチームづくりを【2015年通信簿】

未曾有の故障者続きに、計算していた外国人野手が全く機能しなかった楽天。シーズン途中では、低迷するチームを象徴するかのように、オーナー現場介入報道がされるなど、ファン不在のドタバタ劇が繰り広げられた。

2015/12/16

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則本に次ぐ先発陣の確立が急務。戸村、安楽

【投手3点】

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 防御率は順位こそリーグ最下位だが、数字は昨年3.97から今年3.82に改善、投手本来の力量を表すFIP3.58も日本ハム、ロッテと肩を並べ、先発力を測るQS率はリーグ3位の54.5%を記録している。
 決して他球団から後れを取っているわけではないのだ。

 田中将大が抜けた穴は依然埋まらないものの、それ以上傷口を広げることはなく、エース則本と抑えの松井裕を中心に健闘、66試合目を終えた6月21日には3.07で防御率リーグ1位に立っている。

 規定投球回をクリアした投手が1人(則本)に終わったのは2005年以来のことで、則本に次ぐ先発の柱の確立は急務だが、一方で収穫材料もある。
 それまで伸び悩んでいた戸村と菊池が自らの殻を打ち破るキャリアハイの100回以上を投げると、8月下旬トミー・ジョン手術で長期離脱していた釜田が復帰戦で白星を挙げた。

 10月5日には14年ドラフト1位の新人・安楽がプロ初登板・初先発。2年連続日本一打線を6回2安打無失点に抑えて初勝利を記録。高卒3年目左腕で有望プロスペクトの森も2軍でイースタンリーグ防御率2位の好成績を挙げ、1軍では終盤2試合でゲームを作った。来季は1軍で力強く羽ばたいてくれるはずだ。

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 前年比47人増、日本ハムに次ぐリーグで2番目に多い426人を起用したリリーフ陣。7月まで防御率2.96と上々の活躍をみせたが、8月以降は4.97と崩れた。
 主な原因には椎間板ヘルニアのミコライオが1軍登板ゼロに終わったことも大きいが、得点力不足も見逃せない。打線の援護乏しく、そのため延長戦が20試合に激増。そのしわ寄せを受けて疲弊したのが救援陣だった。

 今シーズンは投手陣を生かすも殺すも得点力次第というゲームが目立ったので、来季はその解消を望みたいところだ。

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