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大台到達まで5年目。紆余曲折の末、クロ―ザーで新境地を開いた巨人・澤村

巨人の澤村拓一が5年目にして大台に到達。今季は苦しいチーム事情の中、守護神としてリーグ4位の36セーブをマークした。

2015/12/06

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5年目にして大台に到達

 公言するのも極めて珍しい。
 巨人・澤村拓一投手が契約交渉を終え、会見の席上において「1億円ピッタシで更改しました」と〝ぶっちゃけた〟ことが、つい先日に各メディアで大きな話題となった。
 
 正確な更改の額について言葉を濁す選手がプロ野球界で大半を占める中、これは異例のことで集まった報道陣も思わず目を丸くしたという。
 
 報道によれば、更改した来季年俸は前年比で5200万円増。大幅アップだ。そういう背景を考えれば、つい思わずポロっと明かしてしまうほど澤村の気分が高揚していたとしても決して不思議ではない。
 
 だが澤村も今季でプロ5年目。
 厳しい見方をすれば大台到達はもう少し早くても良かったような気がする。中大時代には大学生歴代最速となる157キロをマークするなど速球派のエースとして早くから注目を浴び、2010年10月のドラフト会議で1位指名を受けた巨人へ入団。2011年のルーキーイヤーでは11勝(11敗)で防御率2.01の好成績を挙げ、セリーグの新人としては1967年の江夏豊氏(当時阪神)以来となる年間200イニング登板も果たし、新人王を獲得した。
 
 2年目の2012年も2年連続ふた桁勝利となる10勝をマークしたが、シーズン前半戦の終盤辺りから好不調の波が目立つようになって序盤に1点台だった防御率は最終的に2.86にまで低下し、黒星の数も2年連続で勝ち星と五分になる10敗を記録。そしてシーズン途中でリリーフ登板も経験した3年目の2013年、右肩の違和感で前半戦の大半を棒に振った4年目の2014年はいずれも5勝止まりでスランプに陥った。
 
 だが守護神に配置転換された今季は60試合に登板し、リーグ4位の36セーブ。BB/9は2.77、WHIPも1.16でセリーグ各球団のストッパーの中では高い数値をあげた。
 走者を出すケースが多い点は課題が残るものの、それでも防御率は1.32とし、プロ入り以来初の1点台にまで下げた。総じて言えば、球団の高い評価通りに守護神としての仕事をこなし、ここ数年の低迷から脱して蘇生したと評していいだろう。

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