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楽天、秋季キャンプでの“珍トレ”で再び日本一なるか。中日は「ダンス」、ロッテは「地下足袋」

パリーグ最下位の楽天、セリーグ5位に沈んだ中日など、来季へ向けて雪辱を誓う秋季キャンプが始まっている。技術・体力両方の能力を引き上げるべく、各球団ユニークなトレーニングも取り入れられている。

2015/11/11

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「ダンストレ」や「文字が書かれたボールを打つ」練習も

 セリーグ5位の中日はナゴヤ球場での秋季キャンプで、チアドラゴンズの講師を招いた「ダンストレ」を敢行。ダンストレーニングを行うことで、筋力強化や心肺機能を高める効果が見込まれるという。さらにリズム感を養うことでプレーに生かす狙いがある。

 若手で伸び悩んでいる4年目の高橋周平らは、ダンストレの成果を来季に生かしたいところだが、秋季キャンプ中に週1回行われるこの練習に、初日から早くも苦戦している。

◆高橋周平の入団1年目から4年間の打撃成績
2012年 41試合 打率.155 2本塁打 3打点
2013年 66試合 打率.249 5本塁打 27打点
2014年 61試合 打率.257 6本塁打 14打点
2015年 51試合 打率.208 4本塁打 18打点

 2013年から3年連続Bクラスに甘んじている中日。
 今までチームを支えてきた和田をはじめ小笠原、谷繁監督らベテラン選手が引退し、中堅・若手への切り替えを行う時期に来ている。

 高橋周平ら若い野手陣の底上げなくして、来季のAクラス浮上は厳しい。谷繁監督も横浜時代に自主トレでダンスを取り入れた経緯がある。その重要性を十分わかっているだけに、期待の若手をビシビシと鍛えたい構えだ。

 今季143試合目でCS出場を逃した広島は、宮崎・日南市で行われている秋季キャンプで、平仮名や数字が書かれたボールを正面からトスし、文字を読み取るという練習を行っている。
 新しく打撃コーチに就任した石井琢朗コーチの下、今季、リーグ最下位の得点圏打率.235に終わった打線の強化を図る。得点機での勝負弱さを克服するため、目でボールをしっかり見て打球を捉えることを目的としている。

 CSファイナルステージでソフトバンクに敗れたロッテは、千葉・鴨川市での秋季キャンプで「地下足袋」を履いたロングティーを敢行。「約1.3キロ」のマスコットバットを使い、地面をつかむようなイメージで行うこの練習は、冒頭で紹介した楽天の夜間練習に似た側面を持っていそうだ。

 今季、チーム本塁打数が85本とリーグ最下位だった楽天とロッテ(チーム打率はロッテが.257、561得点でともにリーグ4位)。それぞれのオリジナルトレーニングの効果はいかに。来季、両球団の打線に注目したい。

 秋季キャンプで行われるユニークな練習法は話題性だけでなく、その裏にはチームの課題がしっかりと明示されている。
 各球団、工夫を凝らした練習法が来季の熱い戦いにつながることを期待したい。

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