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岩村、青木ら過去の背番号「1」は海外に。『新ミスター・スワローズ』山田哲人の未来

山田哲人にとって2015年もさらに飛躍の年となった。来季は背番号「1」も内定しているという。気の早い話だが『新ミスター・スワローズ』には、メジャー関係者もその動向に注目している。

2015/11/02

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岩村、青木…背番号「1」を背負うと海外へ

 さらに山田自身が熱望する背番号「1」への変更も各メディアの報道によれば、どうやら内定した模様だ。ヤクルトの背番号「1」といえば、かつて池山隆寛(現二軍野手総合コーチ)、岩村明憲(現福島ホープス選手兼任監督)、青木宣親(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)らが背負った『ミスター・スワローズ』の象徴。フロントから正式にゴーサインが出され、現在「23」の山田の背中に来季から新たに「1」の数字がクッキリと映えることになれば、この若燕によって栄光の背番号伝説が再び幕を開ける。それはそれで非常に楽しみだ。

 ただ、どうしても1つだけ気にかかるところがある。近年、このヤクルトの背番号「1」の継承者が名選手となった後、FA権を取得する前にメジャーへ流出していることだ。岩村は2007年からデビルレイズ(現レイズ)へ、青木も2012年からブリュワーズへそれぞれ当時のポスティング・システム(入札制度)を使って移籍している。両者はメジャー移籍願望がシーズンを重ねるごとに高まっていき、それを球団側が最終的に了承してFA前の退団が認められる形となった。

 山田はどうか。今のところメジャー移籍願望は公の場で口にはしていないが、胸の内はわからない。今季公式戦ではメジャー数球団のスカウトたちがスタンドから山田の一挙一動に熱い視線を送る姿が多くのメディアや関係者たちに目撃されている。海の向こうでも逸材として、注目されているのは自明の理と言っていい。

 ちなみに山田の海外FA権取得は最短でも2021年シーズン後。かなり先の話とはいえ、仮に岩村や青木のように山田も徐々にメジャー思考が高まっていくとなれば、そこまで絶対に待たなければならないとは一概に言い切れない。

 前記した通り、ヤクルトはかつて「1」を背負った2人の強い希望を受け入れてFA前のメジャー移籍を認めた確かな前例がある球団だからだ。
 来季から背番号「1」の『新ミスター・スワローズ』として大いなるジャンプアップが期待される山田の今後には、さまざまな意味で注目したい。

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