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3軍創設、弱点ポジションの重点補強――大量16名を指名した巨人のドラフト戦略

新監督不在の中で行われた、2015年巨人のドラフト会議。最終的には育成含めると16名と12球団で一番の指名を行った。その意図とは――。

2015/10/23

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桜井にあの大エースの「雑草魂」継承を

 会議開始から約3時間半、巨人は最後まで淡々と指名を続けた。
 
 育成8巡目の長谷川潤投手(石川ミリオンスターズ)で選択終了。ドラフト指名8名、育成8名の計16名の大量指名となった。
 
 巨人にとって喧噪の中で迎えた2015年ドラフト会議。当日のスポーツ新聞1面では新たに2選手の野球賭博関与が報じられる異常事態。さらにCS敗退後の原監督退任により監督不在での参加である。
 
 本ドラフトでは投手4名・捕手1名・内野手2名・外野手1名を指名。1位はタフネス右腕の呼び声高い桜井俊貴(立命館大)。最速150キロの直球にチェンジアップやスライダーが武器で、1試合を1人で投げきれる肩のスタミナもある。今季の巨人先発ローテはマイコラスとポレダの両外国人への依存度が高く、2人の来季去就も現段階では未定。長年チームを支えた内海哲也や杉内俊哉は30代中盤を迎え、1年間ローテを守った高木勇人も終盤は打ち込まれた。大竹寛や小山雄輝は不調に喘ぎ、20歳の田口麗斗もまだまだ発展途上。現段階で計算できる日本人投手は菅野智之ただ一人。そんなチーム事情もあり、即戦力の先発投手として桜井の単独指名に踏み切った。
 
 兵庫に生まれ北須磨高校時代は甲子園とは無縁、中央球界ではなく関西学生リーグでひたすら投げ続けた男。
現段階で知名度という面では、甲子園のヒーローや大学球界のスター選手が顔を揃える他球団のドラ1より大きく劣るのは事実だ。
ファンの間では地味なドラフト「じみドラ」なんて声も聞こえてくる。
だが、シーズンが始まってしまえば結果がすべてのプロ野球。
16年前、大阪から東京にやって来て、桜井と同じく甲子園出場経験なしながらも巨人のエースにまで成り上がった投手がいた。
「雑草魂」で知られる上原浩治である。
90年代末、斎藤・桑田・槙原の三本柱が急激に衰え、世代交代の真っ只中にあった巨人投手陣を救った背番号19。
あの頃の上原と同じように、桜井は巨人ローテの救世主となれるのか?
エリート軍団の中では異色の叩き上げのドラ1投手、鉄腕・桜井に注目しよう。

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