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DeNAラミレス新監督は成功するか? ルーツ、バレンタイン、ヒルマン……インパクトを残す外国人監督

球団初の外国人監督に就任したアレックス・ラミレス氏。ボビー・バレンタインやトレイ・ヒルマンを筆頭に過去には多くの外国人監督たちが、日本野球界に大きなインパクトを与えていった。

2015/10/22

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ベースボールチャンネル編集部



対照的なアプローチで日本一に導いたバレンタインとヒルマン

 今月19日、横浜DeNAベイスターズは2016年度の新監督に前オリックス巡回アドバイザーのアレックス・ラミレスが就任することを発表、21日に記者会見が行われた。

 以前から監督となることを夢としていたラミレス、外国人選手初となる通算2000本安打達成の名打者は、監督として今年最下位に沈んだDeNAでどのような采配を見せるのだろうか。

 NPBでラミレス氏以前に指揮を執った外国人監督は以下の8人だ。

与那嶺 要 72~77(中日)
ジョー・ルーツ 75途中(広島)
ドン・ブラッシンゲーム 79~80途中(阪神)、81~82(南海)
ボビー・バレンタイン 95,04~09(ロッテ)
トレイ・ヒルマン 03~07(日本ハム)
レオン・リー 03途中~シーズン終了まで(オリックス)
マーティ・ブラウン 06~09(広島)、10(楽天)
テリー・コリンズ 07~08途中(オリックス)

※ジェフ・リブジーはブラウン不在時に監督代行経験あり、レオ・ドローチャーは76年に太平洋クラブライオンズと契約成立も体調不良で来日に至らなかった。

 外国人監督といえばまず名前があがるのはボビー・バレンタインとトレイ・ヒルマンの二人だろう。

 バレンタインは95年、就任1年目にそれまで9年連続Bクラスだったチームを2位に躍進させるも、広岡GMとの確執により1年で解任。96~02年にメッツで監督を務めたのち、04年再びロッテの監督に就任すると、就任1年目にいきなり9年ぶりの勝率5割を達成。

 翌05年には毎日のようにオーダーを変え、ほとんどのポジションで複数の選手に競争させるといった独特の起用法が功を奏し、シーズン2位に。当時のプレーオフも突破し、日本シリーズではセリーグ覇者の阪神相手に4連勝をおさめ、日本一へ導いた。
 外国人監督初の日本一に輝いた手腕は「ボビー・マジック」、バレンタインに見出された西岡剛、今江敏晃ら若手選手は「ボビー・チルドレン」と呼ばれ大いに脚光を浴びた。

 以降4年間でAクラスは07年の2位のみも、米で「地上で最も知識豊富な野球人」と評された確かな采配に、そのキャラクターやファンサービスを大切にする姿勢も合わさりファンの支持は絶大。退団が確定した状態で指揮を執った09年は大きな騒動も起きた。

 バレンタインとは対照的に日本流で成功を収めたのは、日本ハムで5年間指揮を執ったヒルマンだ。
 03~05年までは相手に簡単にアウトを与えないという方針から長打・連打を狙う大味な野球だったが、チームは脆さを隠せず3年間で2度5位に低迷した。それを受けて06年以降は方針転換、日本流の「スモールベースボール」を徹底し、チーム史上初のリーグ2連覇を成し遂げている。

 森本稀哲、田中賢介の1、2番コンビを筆頭に多くの中堅選手がヒルマンの下で開花したほか、ダルビッシュ有ら若手を積極的に起用し、06年以降の10年間でAクラス8回、日本シリーズ進出4回の「強い日本ハム」の基盤を築いた手腕は見事の一言に尽きる。

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