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CSファイナルステージはリーグVチームが有利。カギは初戦【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は14日から始まるクライマックスシリーズファイナルステージについてだ。

2015/10/14

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勢いだけならロッテ。ソフトバンクは柳田の打棒に期待

 次に、両リーグのコンディションと陣容を見ていこう。パリーグからだ。
 レギュラーシーズン終盤からファーストステージの星取表だ。

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 ソフトバンクは9月21日以降、3勝10敗だった。主砲の柳田悠岐が死球で欠場したことに加え、投手陣が乱調だった。優勝決定後、直近の目標を失い、やや緊張感に欠く試合が多かった。
 一方のロッテは西武との激しい3位争いを勝ち抜き、余勢をかってファーストステージも勝ち上った。
 勢いだけで言えばロッテ。しかしソフトバンクは8日間の休養期間に陣容の立て直しを行ったはずだ。1勝のアドバンテージもあり、勝ち上ったチームが有利とはいえないだろう。

 次の個別の選手の成績を見ていこう。ソフトバンクは9月21日以降の成績。ロッテはそれにファーストステージも加算した。
 打撃成績からだ。

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 ソフトバンクは、終盤負けがこんだこともあり、調子のよい選手は少ないように見える。しかし最後の5試合を欠場した柳田がDHながら間に合うとなれば、数字以上に陣容は充実しているのではないか。

 ロッテは、日本ハムとの3試合を通じてエンジンは温まっている印象だ。極端に不振の選手はいない。ベテランの福浦和也が元気なのが目立つ。

 ファーストステージでは数字を残せなかった1番の荻野。2戦目以降はチャンスで安打が出なかった清田、この二人が結果を出してくると、ロッテ打線も脅威になるだろう。

安定感あるロッテ投手陣の不安材料は疲労

 次に投手成績だ。

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 ソフトバンクの先発投手陣は終盤、打ち込まれた。サファテなど救援陣も不振だった。しかしすでに優勝決定後の状況下であり、この数字はそのまま信用できない。

 ロッテは、この期間で涌井が4勝、内が7セーブと活躍している。ファイナルステージでもこの二人が中心になる。

 ソフトバンクとロッテの今季対戦成績は、ソフトバンクの15勝10敗。ロッテは、札幌から福岡へと転戦した。ホームタウンを長く離れての試合は、疲労もたまるだろう。
 2005年、2010年といずれもポストシーズンの短期決戦ではロッテがソフトバンクを下したが戦力的に見れば、ソフトバンクが優位なのは間違いない。

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