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オリ低迷の要因は”あと一本”と最強リリーバーの崩壊【どら増田のオリ熱コラム#59】

昨年オフは、大型補強にも成功し、開幕前は優勝候補に上がったオリックス。結果的にシーズン5位で終えた。果たして、低迷の原因はどこにあったのだろうか。

2015/10/13

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あと一本が出なかった打線

「こんなはずじゃなかった」

 クライマックスシリーズが盛り上がっている中、多くのオリックスファンはこんな気持ちを抱きながらオフシーズンを迎えているのではないだろうか。

 途中優勝マジックが点灯しながらもわずか2厘差でリーグ優勝を逃した昨シーズン。
 オフになると球団は創設以来最高とも言える本気の大型補強に乗り出した。

 ブランコ、バリントンの獲得に始まり、小谷野そして誰もが驚いた中島の獲得。そして最後はクリスマスイブに届いた金子千尋残留の知らせ……優勝候補として疑う余地もなかった今シーズンほど胸を躍らせながら望んだシーズンもない。それほどファンの期待値は高かった。

 しかし開幕から4連敗を喫すると一つ勝っては連敗の繰り返しを重ね、5月終了の時点で早くも自力優勝が消滅。責任を取る形で森脇浩司監督は休養となり、その後福良淳一ヘッドコーチが監督代行を務めたのは周知のとおりだ。

 今回はデータ的な観点を中心に今季の敗因を検証してみたい。

「いつも言ってるけどあと一本がね。これが今年の課題というか……」

 森脇前監督に比べて、福良監督代行(来季より監督)のコメントはストレートでわかりやすい。私が記録したノートの”福良語録”の中には「あと一本」という言葉が幾度となく書かれている。

 得点圏においてことごとく打てず、勝ち試合を逃した場面が目立ったのは言うまでもない。今季のチームと主力選手の得点圏打率は次のとおり。ちなみに左側は昨年の得点圏打率だ。

◆チーム総合
.276→.254

◆主力選手
駿太 .313→.261
ヘルマン .232→.192
安達 .308→.246
糸井 .340→.278
T-岡田 .285→.314
伊藤 .290→.343

◆移籍選手
ブランコ .333→.220
小谷野 .290→.244

◆今季よりNPBに出場(復帰)した選手
中島 .212
カラバイヨ .270
西野 .425

 T-岡田、伊藤が昨年よりも大きく数字を伸ばしているが、岡田は怪我での離脱が響き、伊藤はスタメンマスクを山崎勝己に譲ることが多かったため、2人とも昨年より打席に立てていない。一時は.480を超える得点圏を誇っていた”救世主”ルーキー西野も骨折により前半戦で離脱してしまうという不運に見舞われた。

 何よりも開幕当初からクリーンナップを担っていた糸井と中島の得点圏打率の低さがすべてを物語っている。
 また昨年は得点圏打率3割を超え、オープン戦でも絶好調だった安達の調子が開幕からなかなか上がらなかったこともチームとしては非常に痛かった。

 もちろんチャンスメイクをするという仕事もあり一概には言えないが、「あと一本」の原因を探るには、チームと各主力選手の得点圏打率が一番わかりやすいデータだろう。

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