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先発陣総崩れのDeNA。中5日の初登板を境に大きく数字を落とした山口・井納

横浜DeNAベイスターズにとって、今季は天国と地獄を味わった1年だった。後半戦、どうしてここまで失速したのか。一つは頭数がそろったはずだった先発陣の不調にある。詳しく見ると、山口・井納の起用方法がポイントだった。

2015/10/11

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先発の頭数はそろっていたはずだが……

 ところがシーズンが始まってみると序盤こそ先発投手の出来は悪くなかったが、徐々に枚数を減らし、開幕前先発4本と期待していた久保、井納、モスコーソ、山口はいずれも故障や不調で二軍落ちを経験。

 結局、二桁勝利には誰も届かず8勝の久保がチーム最多勝で、二番目は来年球界最年長選手となる三浦という結果になってしまった。

 気になるのはシーズン序盤、好投を見せていた山口、井納の起用方法だ。

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 山口は5月9日巨人戦で9回136球を投じた後、井納とローテーションの順番をわざわざ入れ替え、5月15日広島戦に中5日で登板。
 ここまでは開幕以降、中6日のペースをきっちり守っていて好投を見せていたのだが、ここから山口の調子は一変する。

 5月9日の試合が終わった時点で防御率3.02、QS%(6回3失点以内)57.1%、HQS%(7回以上を投げ、2失点以内)57.1%だったのだが、中5日で登板した5月15日以降の試合は防御率5.54、QS%30.1%、HQS%0.0%と大きく落ち込んだ。

 今シーズン、5月15日の登板も含めてその後山口は中5日での起用は2試合あったが、結局、この試合以降勝ち星は、結局1つも付くことなく終わってしまった。

 また、交流戦明けのリーグ戦再開の試合となる6月19日の試合でローテーションを再編。
 その影響で、前回の登板で8回123球を投じた井納をカード初戦に登板させるために、今シーズン初めて中5日で登板させた。

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 ここまで防御率2.43、QS%90.0%、HQS%50.0%だったのが、中5日で起用後は防御率4.30、QS%67.0%、HQS%11.0%と成績は悪化。
 6月19日の登板も含めてその後井納は中5日での起用は3試合あったが、肩の違和感による離脱もあり、勝ち星はわずか1を積み上げただけで終わった。

 二人とも初めての中5日の登板の前の登板で120球以上の球数を投じた後だっただけに、コンディションの調整に狂いが生じた可能性もあったのではないだろうか。
 もちろん山口や井納が不調に陥った原因は、この起用にすべての原因があったというわけではないだろうが、中5日での初登板を境に、顕著に数字は落ちてしまった。

 シーズンが終わってみればチーム先発投手の防御率は4.00で、この数字はリーグ最下位。
 ルーキーの石田健大や、シーズン途中に育成枠から支配下選手登録された高卒2年目砂田毅樹といった若いサウスポーが出てきたのは来年に向けて明るい話題だ。

 しかし、井納や山口といった働き盛りの年代の投手がローテーションの軸として回らなくては、チームの浮上は中々難しいだろう。
 

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