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「大記録・大舞台にツキなし」も堂々の通算182勝。レオのレジェンド・西口文也引退

現役では200勝に最も近かった男、西武ライオンズ・西口文也がついにユニフォームを脱いだ。名実ともに西武のエースを長年務め上げ、通算記録は182勝と堂々たるもの。FAでの流出など西武一筋で終える選手が少ない中、西口はまさにファンにとっても掛け替えのない存在だった。

2015/09/29

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現役ラスト登板も四球

 2015年9月28日の対ロッテ戦で、先発菊池が4回2アウトを取り、打者・井口という場面で背番号13が現役最後のマウンドに上がった。

 今季最多の32988人が西口のラスト登板を見守る中、フルカウントから伝家の宝刀であった渾身のスライダーを投じ、相手打者井口の手が出ない完璧なコースに投じるも、審判の判定は無情にもボール。その後交代を告げられた。

 引退スピーチでは涙する選手が一般的だが、西口は過去の未遂と最後の四球に触れて、「ノーヒットノーラン、未遂2回。完全試合、未遂1回。そして今日、フォアボール」と観客の笑いを誘った。

 平日ながら今季最多観客動員数で限定グッズも完売。選手やファンにとって西口の存在がどれほど大きいかがわかった引退試合であった。

 去る者あれば来る者あり。ルーキーの高橋光成がプロに入ってから西口に似たフォームになり、8月にデビューして早くも5勝を挙げている。
 西口がセレモニーでラストピッチをした後、マウンドにグローブを置いて去っていった。最後にそのグローブを拾い上げたのは高橋光。西口の青く染まった魂を受け継いだ。旧のエースから新のエースへと継承――再びレオの伝説が幕をあける。

■西口文也 成績
今季:2試合 0勝1敗0S 防御率9.00
通算:436試合 182勝118敗6S 防御率3.73

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