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コンセプトは「笑顔輝くボールパークへ」 オリックス観客動員が右肩上がりの理由【どら増田のオリ熱コラム #57】

今季成績は最下位に甘んじているが、球団はさまざまな企画を催し、観客動員数は伸びている。『ボールパーク構想』へ――選手・スタッフ一丸となって、お客様をおもてなしするためにさまざまな努力を行った結果でもある。

2015/09/24

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ベースボールチャンネル編集部



球場の魅力アップは、新規ファンを呼び込むことへつながる

 9月16日現在、今シーズンのオリックスの主催試合観客動員数は1,615,258人。 冒頭でも触れた通り今季の動員は好調で、低迷するチーム成績と裏腹に、優勝を争った昨シーズンを約7%上回っている。

 年間通して行われファンだけじゃなく、世間からも話題になった「Bsオリ姫」イベントや、地球儀をデザインした斬新なユニフォームが話題を呼んだ「Bs夏の陣」など球団の集客努力も見逃せないが、「それを支えるのは球場で働くスタッフたちの一体感だと思います」という球団担当者の言葉には、深く頷かされるほどの説得力があった。

 飲食店でもアパレル店でも接客やサービスが良ければ「また行こう」「今度は誰かを誘って行こう」という気持ちになる。

 他球団でも楽天やDeNAなどが『ボールパーク構想』を打ち出して、球団関係者がメジャーの球場に足を運び、球場のサービス向上に反映させているが、オリックスからは他球団とは違い、メジャー流ではなく、日本ならではの『ボールパーク』を築いていこうという気持ちがこの勉強会から伺えた。

 勉強会の講義終了後には表彰式も行われていたが、その夜にソフトバンクホークスとの試合を控えたチームから佐藤達也と西勇輝の2選手が参加。

「(スタッフの)皆さんのおかげでファンが増えたことを実感しています。ありがとうございます」(佐藤達也)という感謝の言葉を口にした。

 確かに実際、京セラドームやほっと神戸でのスタッフの対応は、ファンから高い評価を受けている。グッズ売場での接客は他球団ファンからの評判も良い。

 プロ野球にとって最大のファンサービスは優勝であり、勝利であることは言うまでもない。しかし、まずは球場に足を運んでもらい、良い気持ちで帰ってもらおうと取り組んでいる球団の姿勢は、間違いなく新規ファンの獲得に繋がるはずだ。

「ビール飲みに京セラ寄るか」

 そんな気軽さが今年の平日の京セラドームにはあった。勉強会の成果は、世間とオリックスをより身近なものにしたのかもしれない。

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