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守備の指標から弾き出した、今季のゴールデングラブ賞予想【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回はゴールデングラブ賞獲得の可能性が高い選手についてだ。

2015/09/15

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ベースボールチャンネル編集部



「データ」だけではなく「印象」も大きな要因

◆捕手
 捕手の指標は二つ増える。PB(パスボール)数と、盗塁%(盗塁阻止率)だ。

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 捕手のRF/Gはあまり参考にならない。刺殺の大部分が三振であり、奪三振数の多い投手がいるチームの捕手が大きな数字になるからだ。
 むしろフィールディングの良さを見る補殺数とパスボールの少なさ、盗塁%を重視すべきだ。もちろんこの数字には表れない「リード」も含まれる。

昨年の記録

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 昨年のパは伊藤光、セは阿部慎之助。いずれも「総合力」で選出された印象がある。しかし今季は、票が割れるだろう。パは、補殺数最多で最も多く試合に出ている炭谷銀仁朗、セも同様に中村悠平と予想した。

◆投手
 投手のシルバーグラブは、これまで守備のデータに基づいて選出されたことはないと思われる。

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 投手は出場試合数が少ない上に、1試合1~2個しか打球が飛んでこない。数字はあまり参考にならない。

昨年の記録

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 パは金子千尋、セは前田健太が獲得。ともに投手として活躍し、守備にも定評があった。その考え方で言うなら、今季はパは大谷翔平、セは前田健太ではないだろうか。
 ところで藤浪晋太郎は2年続けて守備率が低いのが気がかりだ。

 ゴールデングラブ賞は「データ」だけではなく「印象」も大きな要因となる。しかし打撃や投球で活躍した選手がそのまま選ばれるのは面白くない。
 できれば、隠れた「守備の名手」が選出されてほしいものだ。

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