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脇本直人「いつか恩返しを」 ”機動破壊”の実践へ『今日より明日』【マリーンズファーム通信#6】

一軍での活躍を夢見て、日々二軍の浦和球場で汗を流す選手を、マリーンズ広報がクローズアップする連載『マリーンズ浦和ファーム通信』。第6回目は、ドラフト7位ルーキーの脇本直人外野手だ。俊足好打の外野手として期待されているが、今はプロの水に慣れる毎日、いつか支えてくれた人々のために……脇本は今日もバットを振り続ける。

2015/09/07

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画像提供/千葉ロッテマリーンズ



野球を続けさせてくれた祖父母のために

 ここまで育ててくれた祖父母への感謝の想いも若者を奮い立たせる。

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 脇本がまだ記憶にも残っていないほどの小さい時に両親が離婚。祖父・桂太郎さんと祖母・淑子さんが孫6人を親代わりとなって育ててくれた。経済的に余裕のある環境ではなかった。だが、高校まで好きな野球を続けさせてくれた。その愛情は脇本には痛いほど感じている。

「高校まで卒業できたのも、プロに行けたのも二人のおかげ。この世界で恩返しをしたい気持ちが強いんです」

 脇本は祖父母を「パパ」、「ママ」と呼んでいる。育ててくれた二人を両親のように思っている感謝の想いが、そうさせている。そんな二人へプロ入りする際、手紙を渡した。冒頭は「パパ、ママへ」で始めた。寮の自室で2時間ぐらい、一心不乱に書き続けた。それはここまで育ててくれた事への感謝の手紙だった。便箋4枚にもおよぶ内容。最後は力強い字で「ありがとう」で締めた。あの手紙に書いた感謝の思い。二人に恩返しをするためにはこんなところで弱音を吐くわけにはいかないのだ。

「この世界は想像以上に厳しい。でも、それは言ってはいけないこと。頑張ります。ボクはやらないといけないから……」

 1年目のシーズンはまもなく終わろうとしている。

 イースタンリーグ公式戦での成績は93試合に出場をして、打率.183、3本塁打、20打点、3盗塁(9月7日現在)。機動破壊野球の申し子は、もがき苦しんでいる。それでも、弱音を吐かない、諦めない、前を向く。ここまで支えてくれたいろいろな人、これからも期待をするファンの想いを胸に、ガムシャラに生きる。この険しい山を上り詰めたとき、プロとして、人としての成長があると信じている。

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