2年ぶり1試合4安打のイチローナイト 指揮官も「衰えの兆候を見せていない」と絶賛
現地18日のブリュワーズ戦で2013年7月以来となる1試合4安打を達成したイチロー。41歳とは思えないプレーぶりは味方だけでなく相手チームの監督からも絶賛されている。
2015/08/20
Getty Images
マーリンズ打線が爆発
現地18日、敵地ミラーパークでのブリュワーズ戦に出場したマイアミ・マーリンズのイチロー外野手は5打数4安打2得点の活躍を見せ2番打者としてチームを牽引、9-6の大勝に大きく貢献した。
MLB公式サイト『MLB.com』は「ヴィンテージもののイチローは衰えの兆候を見せていない」と題してその活躍を報じている。
この日のイチローは、初回1死ランナーなしからショートへの内野安打でチャンスを作ると3回にはセンター前、5回には再びショートへの内野安打を放ち、早くも5回までに今季2度目となる猛打賞を達成。2アウト、ランナーなしで迎えた7回には、左中間を深々と破る今季3本目の二塁打でこの日4安打目をマークした。
Ichiro’s night was part of a bigger offensive outburst by the Marlins. They entered Tuesday second to last in the Majors in runs scored, but they racked up nine, including seven in the first three innings.
イチローナイトはこの日のマーリンズ打線の大爆発の一部だった。マーリンズは得点数リーグワースト2位の状態で火曜日を迎えたが、この日は3回までの7得点を含む9得点を奪った。
スタントン、オズーナ、イェリッチの外野3人衆全員を欠くなど故障者、不調者が続出し、得点力不足に苦しんでいたマーリンズ打線がこの日は爆発。その主役を担ったのが1番のディー・ゴードン、そして2番のイチローだった。2人併せて9打数6安打3得点2盗塁、10打席中7打席で出塁するなどテーブルセッターとしての役割を完璧に遂行、本塁打0で9得点をもぎ取る立役者となった。
この日の活躍を監督のダン・ジェニングスも「すさまじい夜だった」と絶賛。「これがこの男がホールオブフェイマー（殿堂入り選手）たる理由なんだ。イチローは衰えの兆候を見せていないよ」と、全盛期を彷彿とさせる活躍を見せたベテランに対して最大級の賛辞を並べた。
メジャー通算3000本安打へ視界開けた
イチローの1試合4安打はマーリンズ移籍後では初めて、ヤンキース時代の2013年7月28日タンパベイ・レイズ戦以来の達成となった。通算ではこれで51回目、2012年の移籍後の達成回数は3回に留まるものの、マリナーズ時代には12年間で48回の1試合4安打を達成している。
大ベテランの活躍にわずか3歳しか違わないブリュワーズの青年監督クレイグ・カウンセルも舌を巻いた。
“He’s got 4,200 hits. I think he’s pretty good,” Brewers manager Craig Counsell said. “He’s a great hitter. You don’t lose your hands. He hasn’t lost his hands, that’s for sure. He’s one of the greatest players to play our game.”
「彼は4200本(訳注：日米通算4197本)ものヒットを打っている。とても素晴らしいと思うよ」とブリュワーズ監督クレイグ・カウンセルは語る。「素晴らしい打者だ。まだ能力を失っていないことは間違いない。ベースボールをプレーしてきた中でも最も素晴らしい打者の1人じゃないかな」
タイ・カッブの通算安打数4191本を抜いた3日後の4安打でメジャー通算安打数は2919本。メジャー通算3000本安打へ残り81本と迫り、来シーズン中に達成できる可能性も非常に高くなった。
地区首位まで15.5ゲーム差、ワイルドカードへも19.5ゲーム差とポストシーズン進出は絶望的な状況となっているマーリンズだが、もがき苦しむチームの中で41歳のベテランは存在感を発揮している。
出典：’No signs of slowing down’ for vintage Ichiro by Brandon Curry in MLB.com on Aug.19 2015