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マリナーズファンは待ち望むイチロー復帰も、他メディアからは否定的な声

先日地元紙『The Seattle Times』で報じられたイチローのマリナーズ復帰案に対して懐疑的な声もある。ファンは復帰を待ち望んでいるものの、ここまでのイチローの成績からチーム力強化にはつながらないのではという内容だ。

2015/07/03

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攻撃面でチームのアップグレードにならない

「マリナーズはイチローを呼び戻すべき」――先日マリナーズの地元紙『The Seattle Times』に掲載されたジェフ・ベイカー記者の記事は、日米で大きな話題を呼んだ。記事中のアンケートには2000票近い投票が集まり、うち68%のファンが復帰に賛成と回答するなどマリナーズファンも待ち望むイチロー復帰だが、他メディアからは現実的ではないという意見も多い。特に米スポーツサイト『Fansided』は「マリナーズはイチローもトレード獲得すべきでない」という記事にて、真っ向から反対している。

 記事ではまずイチローのこれまでの打撃成績について考察しており、打撃ではチームのプラスにはなりえないことを指摘している。

As of right now, Ichiro is hitting ..266/.316/.310. That’s a 75 wRC+, which means that his total offensive production has been 25 percent worse than the average major leaguer. Ichiro isn’t adding anything with his bat.
今イチローは(シアトルタイムズの記事の掲載時点で)打率.266/出塁率.316/長打率.310を記録している。wRC+は75となっており、それは彼の総合的な攻撃力がメジャーの平均的な打者より25%劣っていることを意味している。イチローはバットではチームのプラスとなっていない。

 このように数字を根拠に、攻撃面でイチローがチームのアップグレードになることを否定。「今シーズンのイチローはカノーと同レベルの打者だ。そしてカノーの打撃はこのチームの最悪の部分の一つだ」と同じくWRC+81と不振に苦しむチームの主力打者を例に出して、もしイチローを獲得する場合チームの打線強化が目的ではないとしている。

 5月には打率.310を記録するなど好調な出足を見せたイチローも、6月19日以降は25打席でノーヒット、大きく調子を落としており、6月18日には.292を記録していた打率も.258まで降下した。

『The Seattle Times』では、スランプに陥る前、マリナーズではネルソン・クルーズに次ぐ.340を記録していたことをあげ、出塁能力をイチロー獲得の理由の一つとしていたが、記事では「現在の数字(出塁率.318)は過去4年間で残してきたものと近しい」と反駁。
 また「驚異的な守備力を持った外野手だったが、それはもう過去のこと」、通算493盗塁を誇る脚力も「年齢の影響でスピードが落ち続けている」と反論している。今季は守備で防いだ失点を示す守備防御点で-6、走塁盗塁能力を示すBsRで-1.5と各指標でもマイナスを記録しており、守備走塁ではデータの面からも衰えの兆候が見受けられる。

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