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大型補強も再び空中分解の危険性も? レッドソックス低迷の原因

昨年オフに大型補強を敢行し、開幕前は優勝候補にもあがったレッドソックスが低迷している。チームはまたもや、空中分解の危険性が出てきた。

2015/06/27

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ハンリー・ラミレスも、マニー同様に問題児?

 ここ数年、レッドソックスの『内紛』をよく耳にする。

 まずは2011年終盤、クラブハウスでビールを飲むことが習慣化していたことが発覚(試合中の飲酒の常習犯は、ジョシュ・ベケット、ジョン・ラッキー、ジョン・レスターだったとの事)。

 翌年の2012年は、元ロッテのボビー・バレンタインが監督に就任したが、主力選手との関係が、取り返しのつかない状態にまで悪化。チームは完全に空中分解し、選手間で派閥が出来上がるまでに発展。相手チームとの勝負どころではなくなった。

 2013年は沈没しかけた船を再び浮上させようと、ブルージェイズで監督を務めていたジョン・ファレルをヘッドハンティング。ファレルは混乱していたチームを、見事に復活させた。互いの信頼関係と規律を取り戻し、結果的にワールドチャンピオンまで上り詰める。この劇的な復活のストーリーにより、ファレルはレッドソックスの救世主として、ボストン中から拝まれていたのだが……。

 ワールドチャンピオンから一転、2014年再び最下位に。オフには最下位に沈んだ屈辱をバネに、FAマーケットに積極的に参加。前述のサンドバルの補強と、強打のハンリー・ラミレスを4年8800万ドルで獲得。堅実な補強が持ち味のチェリントンGMらしからぬ大盤振る舞いで、2年ぶりのワールドチャンピオンへの期待が高まった。
 しかしながら、蓋を開けてみれば開幕から低空飛行。そして新加入のサンドバルの『事件』が発覚するとともに、もう一人の新戦力であるハンリー・ラミレスの振る舞いも問題視されてきた。

 ラミレスは30本塁打-30盗塁をクリアするなど、身体能力は最高級。アレックス・ロドリゲス級の素材と呼ばれ、マイナー時代から屈指の5ツールプレイヤーとして活躍。しかし同時に、素行の悪さも筋金入りだ。マーリンズ時代は監督やチームメイトとのとの衝突は日常茶飯事、怠慢プレーも度々指摘された。

 スティーブ・デルベッキオ記者は、米大手メディアのFOXスポーツで、

While he has shown some tremendous power at the plate, Ramirez’s attitude has reminded Boston fans of the last right-handed slugger they had who shared the same last name — Manny Ramirez.
ラミレスは、グラウンドでは度々とてつもないパワーを見せつけてくれる。しかしながら彼の振る舞いは、奇しくも同じ苗字であったマニー・ラミレスを思い出させる。

とコメント。ここ数年目立ったトラブルはなかったラミレスだが、今年は明らかにやる気を失っており、その振る舞いを良く思わないチームメイトも多いようだ。

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