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22歳の怪童がバント!? 復帰2戦目でステージを上げた、田中将大の凄味

長期離脱後、最も大事とされる復帰2戦目を最高の形で飾った田中将大。今の投球であるならば、間違いなく白星を積み上げることになるだろう。

2015/06/13

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at Yankee Stadium on June 9, 2015 in the Bronx borough of New York City.

大事な復帰2戦目は文句なしの内容

 この白星が持つ意味は、単なる1勝をはるかに超えていた。ヤンキース・田中将大が9日のナショナルズ戦に先発し、7回5安打1失点で4勝目。長期離脱後、最も大事とされる復帰2戦目を、これ以上ない形で飾ってみせた。

 田中の凄味が凝縮されたシーンがあった。

 同点のまま迎えた7回。先頭のブライス・ハーパーを1ボール2ストライクと追い込んだ。その次の4球目だ。
 外角へのスプリットに対し、現在メジャーでも最強打者の一人に挙げられる左のスラッガーが、右足をすっと引いた。

 田中も、ヤンキースタジアムの誰もが目を疑ったに違いない。

 バントだ。ヤンキース内野陣はハーパーシフトを敷き、三塁線はガラ空き。そこにバント安打を狙ったのだ。結果はファウルで、スリーバント失敗の空振り三振が記録された。22歳の怪童がプライドを捨てて、出塁にこだわったのだ。

 この試合前まで19本塁打は、マーリンズのジャンカルロ・スタントンと並び両リーグトップ。4回の打席ではこの試合唯一の得点となった20号ソロを中堅左に放っていた。

 田中も試合後に「あそこにホームランというのは、日本ではあまりないと思います」と振り返った圧巻の一発だった。その主砲が、なかば白旗に近い形で奇襲に出たのだ。

 そんな弱気な姿勢がチームに伝播し、影響したのか。
 ナショナルズは7回、遊撃手のイアン・デスモンドの悪送球から崩れ4失点。勝ち越しを許し、この回限りで降板した田中が勝利投手の権利を得た。

 抑えた相手がすごければ、投げ合った相手もすごかった。13年のアリーグのサイ・ヤング賞右腕で、2年連続最多勝中のマックス・シャーザー。互いに譲らぬ投手戦を展開したが、最後は味方のまずい守備にも足を引っ張られ、シャーザーが力尽きた。

 田中はこれでメジャー通算26試合目の先発で、17勝目。過去投げ合った投手でリーグを代表するエース級は、昨季までレッドソックスに在籍したジョン・レスターぐらいで1勝1敗。通算120勝を挙げる左腕だが、過去タイトルを獲得したことは一度もない。他に名のある投手はカブスのジェーソン・ハメル、インディアンスのフィル・ヒューズらぐらいか。

 昨季終了後、レスターもシャーザーもFAとなり移籍。レスターはカブスと6年総額1億5500万ドルで、シャーザーはナショナルズとそれを大きく上回る7年総額2億1000万ドルで契約した。名実ともに、今まで対戦した投手の中では最強の存在だった。

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shiro





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