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日本との違いは? 今年の注目選手は? 2015年MLBドラフト

間近に迫ったMLBドラフト会議。同じドラフトとはいっても指名方法を中心にNPBとMLBでは大きな違いがある。そうしたドラフト制度の違いから今ドラフトの注目選手まで2015年ドラフトの見どころを紹介する。

2015/06/07

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戦力均衡に考慮したMLBのドラフト

 現地6月8日から開催と間近に迫ったMLBドラフト会議。日本では注目度の低いMLBドラフトだが現地アメリカでは公式サイト『MLB.com』や各スポーツ専門紙などでも続々と特集が組まれ徐々にヒートアップしている。今回は日本とは大きな違いがあるMLBドラフトのシステムや今ドラフトの注目選手を紹介していく。

 MLBドラフトとNPBドラフトの最も大きな違いとしてあげられるのが完全ウェーバー制であること。1巡目にかぎり競合した場合、抽選となるNPBに対し、MLBは完全なウェーバー制ですでに各サイトでは40巡目までの詳細な指名順位が発表されており、これに沿って行われる。

 完全ウェーバー制度に加え、各種補償指名枠の存在もMLBドラフトの特色だ。

 補償指名枠には大物FA選手を失った球団のためのFA補償枠や、資金力に貧しい球団を救済する目的で1・2巡目と2・3巡目の間に行われる戦力均衡枠、前年のドラフトで契約合意しなかった選手分の補償枠(前年その選手を指名した枠の1つ下の指名順が与えられる)などがあり、チーム状況によって通常の指名枠に加えて複数の補償枠が与えられる球団もある。こうした特別指名枠によってアストロズのように今季全体2位と5位の指名権を保有している球団もあれば、最初の指名権が全体60位のマリナーズのような球団もある。

 指名拒否が多いのもMLBドラフトの特徴だ。
 近年では昨年全体1位ながらアストロズとの交渉が決裂したブレイディ・エイケンや2008年にヤンキースからの1順目指名(全体28位)を拒否してUCLAに進学、2011年に全体1位でパイレーツに入団したゲリット・コールらがいる。MLBドラフトでの指名拒否の理由は進学志望か、契約金の面での相違がほとんど。日本で多く見られる希望球団に入団できなかったためというパターンは前例に乏しい。

 その他では最高額と最低額のみが決まっているNPBドラフトの契約金に対して、MLBでは1~10巡目まで各指名枠に推奨契約金が決められており、その合計額内でサインしなければならないという契約金の面での違いもある。

 MLBのドラフトは総括すれば、NPB以上にチームの戦力均衡といった点について考慮されているのが特徴と言えるだろう。

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