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田中将大の投球スタイル変化「故障回避だけでなく、成長するための前向きな取り組み」

開幕戦では奏功しなかった田中将大の速球を減らした組み立てに対し、疑問の声が湧き上がっている。しかし、それは故障回避のための消極的選択ではなく、投手としてのさらなる成長を見据えたものではないか、という前向きな意見も上がっている。

2015/04/09

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スタイルの転換の狙いは?

 速球の比率が低下した開幕戦での田中に対しては「ジャンクボーラー」(球種は多いが決め手に欠ける投手)との評価もあった。確かにナックルボーラーのような特殊な例を除くと、速球主体の組み立てではない投手が成功した事例は多くない。しかし、サリバンはレイズのエース格であるアレックス・コッブ(2012年以降3年連続2ケタ勝利)の例を挙げている。彼は、昨季42%しか速球を投げていない。

It’s worth noting, also, that Tanaka just pitched against the very much highly dangerous Blue Jays lineup. It’s a lineup you might not want to throw many fastballs. More will be learned when Tanaka has a greater number of starts under his belt. Last June 17, Tanaka turned in a strong start against the Blue Jays in New York. He threw 36% hard pitches.
もうひとつ見落としてはいけないのは、田中は破壊力あるブルージェイズ打線を相手にしたということだ。この打線に対しては、速球を投げるのを避けたくなるものだ。田中は今後経験を通じ、多くのことを学ぶだろう。昨年6月17日のニューヨークでの登板では、ブルージェイズ相手に素晴らしい投球を見せているが、その時の速球比率は36%でしかなかった。

 田中は投球スタイルを変えようとしていると明言した。われわれは、このことをヒジへの負担を軽減するためだけのものと考えがちだ。しかし、彼の狙いはそれだけではなく、より良い投手に成長するためのものではないか?

 メジャーの一流投手が、シーズンをまたぎ投球スタイルを変化させるのは珍しいことではない。実際、レンジャーズのダルビッシュ有もサイ・ヤング賞級の活躍を見せた2年目には、前年より劇的に速球比率を低下させた。

 開幕戦での結果は残念なものだったが、それは投球術の変化という新しい試みがまだ完成以前の状態にあっただけとも言える。田中の2015年シーズンは始まったばかりだ。

出典 : “Masahiro Tanaka abandons the fast ball” @ fangraphs by Jeff Sullivan in Apr. 6th 2015

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