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ダルビッシュ有の決断は? 過去にトミー・ジョン手術を受けた選手たち【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、トミー・ジョン手術を受けた選手たちについてだ。

2015/03/09

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MLBではトミー・ジョン手術で完全復活した選手も多い

 一方でMLBでは、トミー・ジョン手術の後、完全復活した例は多い。ごく一部だが成功事例を紹介したい。
 
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 ワシントン・ナショナルズのジマーマンは、MLBデビューの年に右ヒジの違和感を覚え手術を受けた。翌年8月に復活し、以後は最多勝も獲得しエースとして復活した。
 2009年のドラフト全体1位、100マイルの剛速球で知られるナショナルズのストラスバーグも2011年に手術を受けた。2012年に復帰し、2014年には最多奪三振のタイトルを獲得した。ナショナルズのWエースは二人ともトミー・ジョン手術から復活した。
 
 ベテランのラッキーやウェインライト、救援投手のフェリースも見事に復活している。
 もちろんMLBにも失敗事例もあるが、こうした事例を見て気が付くのは、若いうちの手術のほうが成功する可能性が高いということ。MLBにはエンゼルスのエースのCJウィルソンのようにマイナー時代に手術を受けた選手もいる。最近は、高校、大学時代に受ける選手さえいる。
 日本人でも24歳で手術を受けた田澤純一が成功している。
 
 手術後の選手の活躍はさまざまであり、トミー・ジョン手術は、成績が衰えた選手を復活させる「魔法の手術」ではない。手術後のリハビリテーションも重要だ。復活を信じて医師やリハビリ担当者の指示を忠実に守り、焦らずに行えるか。
 焦って1日も早くマウンドに上がろうとしたり、無理なフォームで投げる選手は再び故障する危険性はある。
 
 ダルビッシュはまだ20代、これからMLBで実績を積み上げていく投手であり、上昇中の選手だ。しかも、彼の自己管理能力には定評がある。
 
 医師や専門家の意見をよく聞いて、ベストな選択をしてもらいたい。
 
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