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トミー・ジョン手術回避のリスクは大きかった? 全米が注目する田中将大の右肘

昨年右肘を故障した際にトミー・ジョン手術を回避した田中将大。アメリカ国内では、その選択にはいまだ疑問の声も上がる。間近に迫ったキャンプイン。田中の右腕に大きな注目が集まっている。

2015/02/17

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田中の肘の状態がヤンキースが優勝候補になりうるかを決める

 田中に予想される最悪のケースは、元ドジャースのチャド・ビリングズリーのパターンだろう。2012年まで6年連続二桁勝利をあげていたエース投手は、その年の9月に肘関節の靭帯を損傷。田中と同じく保存療法を選択し手術を回避した。翌年のスプリングトレーニング(日本でいう春季キャンプ)までは順調だったものの、4月に2登板したところで肘の痛みを訴えて故障者リスト入り。結局そのままトミー・ジョン手術を受けその年を全休したばかりか、今年もメジャーでの登板はなかった。
 
 こうした前例もあり、アメリカでは田中の契約(7年総額1億5500万ドル)の成功に疑問を抱く専門家も増えはじめている。トミー・ジョン手術から故障前のレベルに戻るまでには一般的に18カ月かかるとされている。仮に手術となれば、7年の契約のうち2年以上を失うリスクの大きさを考えればこうした声も致し方ないだろう。
 
 こうした外部からの声に対して、ヤンキース首脳陣から田中の万全を示す報告が多く発表されている。ブライアン・キャッシュマンGMはメジャーリーグ公式サイト『MLB.com』から田中について問われた際、以下のように答えている。
 
“He finished the season as a healthy player,” Cashman said. “He wasn’t prescribed any different regimen because of what happened last year. He went back to his normal program, throwing routine, rest routine, because he was considered a healthy player. There was no more rehab necessary.”
「田中はシーズンを健康で終えた」とキャッシュマンは言う。「彼は昨年の怪我のことで異なった養生法を処方されたりはしていない。彼は通常のプログラム、普段の投球、日常の休息に戻っている、なぜなら彼は健康だと考えられているからだ。これ以上のリハビリの必要はない」
 
 ヤンキースの地元紙『NEW YORK POST』は、「野球の興味深い人物ベスト50」の13位に田中をあげた。肘の状態がヤンキースが優勝候補になりうるかを決めると評している。現地21日がヤンキースバッテリー陣の最初の練習日。田中の右肘、そしてその投球に全米の注目が集まりそうだ。
 
出典:Fantasy Dilemmas: How long before Masahiro Tanaka’s elbow blows up? by Scott White in CBS SPORTS.com on Feb.2 2015
Cashman looking forward to spring amid talk of Moncada by Bryan Hoch in MLB.com on Feb.8 2015

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