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メジャー通算500盗塁へ イチロー、価値あるもう一つの“足”の金字塔

安打数にまつわる2つの大記録に注目が集まるイチロー。しかし、もう一つ達成間近の大記録がある。それはメジャー通算での500盗塁だ。抜群の成功率を誇るイチローだけにその記録の価値は非常に高い。

2015/02/08

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数だけでなく、成功率の高さも見逃せない

 イチローは、渡米前にもNPBで199盗塁を積み重ねているため、もし500盗塁を達成すれば日米通算で699盗塁。日米で通算700盗塁以上の選手は11人(アメリカで10人+NPBの福本豊)がいるため、日米通算で歴代12位となる。たら、ればは禁物だが日米の試合数の違いを考えれば、もしイチローが直接メジャー入りしていた場合、盗塁数でもメジャー歴代10位以内に入っていた可能性もある。
 
 過去に40盗塁以上かつ成功率9割越えを2度達成、2006年から2007年にかけてはアリーグ記録の45盗塁連続成功を決めたことからもわかる通り、イチローは盗塁失敗が非常に少ない選手だ。
 2014年までの盗塁成功率は81.7%、これは500盗塁達成者の中でも上位に入る数字である。闇雲に走って積み上げた500盗塁ではない、その成功率の高さがイチローの盗塁記録の価値をより高めている。
 
 では肝心の今季の達成確率はどうだろうか。メジャー移籍後の14年でイチローの盗塁数が今季の達成に必要な13盗塁を下回ったことは一度もない。
 最も出番が少なかった昨季も15盗塁、2012年にもヤンキース移籍後の67試合で14盗塁を記録しており順当にいけば達成の確率は高いだろう。
 
 あえて不安要素をあげるとすれば、成績予想システムの出したデータだ。MLB公式サイト『MLB.com』の予測では、イチローの2015年の盗塁数は12、ギリギリで500盗塁には届かないと出ている。
 イチローのスタイル的に終盤、記録達成のために盗塁企画数を増やすことは考えづらい。前半戦でどこまで数を増やせるか、つまりどれだけ試合に出場できるかがポイントになりそうだ。
 
 3000本安打と500盗塁を両方達成した選手は過去に6人にしかいない。また新たにメジャーの歴史に名を刻むことができるか。イチローのもう一つのマイルストーン、500盗塁の達成にもぜひ注目してもらいたい。

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