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【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】ポストシーズンを制するカギは、レギュラーシーズンのラスト10試合にあり!

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。第1回目は、「発見!MLB ポストシーズンの法則」だ。

2014/09/19

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レギュラーシーズン終了後、すぐにポストシーズンへ突入するMLB

 MLBではレギュラーシーズン終了の翌々日からポストシーズンが始まる。シーズン最終盤のチームのコンディションがそのまま持ち越されるのだ。
 
 レギュラーシーズンで大差をつけて地区優勝を果たし、余裕がありすぎて終盤を迎えたチームより、厳しい状況から追い上げて、何とかポストシーズンに手を掛けたようなチームのほうが、ポストシーズンは明らかに有利なのだ。
 まさに「余勢を駆る」とはこのことだ。
 

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 2012年からワイルドカードが2枚になった。ワイルドカードでポストシーズンに残った2チームは、1試合だけの「ワイルドカード・ゲーム」を戦って、翌日には地区シリーズに参戦する。
 この過酷なゲームが加わったことで、ワイルドカードに滑り込んだチームは地区優勝のチームよりも不利になった。
 
 このために、2013年10連勝でシーズンを終えたインディアンスが1試合だけのワイルドカード・ゲームで敗退している。
 
 しかし、それでも言えるのは、レギュラーシーズンのラスト10試合で負け越しているチームはポストシーズンでも苦戦を強いられ、逆に調子の良かったチームは、その好調を維持したままに臨めるということだ。
 
 ちなみにNPBでもこういうことが言えるのか調べてみたが、そういう法則は見つけられなかった。タイムテーブルが違うからだ。
 
 今年でいえばNPBは10月6日にペナントレースを終了し、セパ両リーグともに10月11日からクライマックス・シリーズを始める。中4日、日程を開けているので、どのチームも小休止となる。
 
 投手は一からローテを組むなおし、打線もテコ入れを図る。
 そこで、各チームは仕切り直しをしてしまうので、シーズン終盤の勢いは消えてしまう。
 MLBとNPBどちらのやり方がよいかは一概に言えないが、ファンにしてみれば、優勝の興奮冷めやらぬうちにポストシーズンが始まったほうが盛り上がるのではないだろうか。
 シーズン終了から4日間も野球がないと気が抜けてしまう。
 選手やチームにしてみれば、調整期間があるほうがうれしいかもしれない。しかし興行的にはMLBの方式が優れているようにも思う。
 
 MLBはまさに今からラスト10試合に突入する。ここで調子を崩すチーム、勢いに乗るチームの色分けができてくる。
 
 好きなチームのポストシーズンでの活躍を願うなら、消化試合であっても気を抜かずに応援すべきだろう。

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