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メジャーで失敗した日本人選手など一人もいない!自分自身の〝ありのまま〟の姿を見せろ【川﨑宗則、単独インタビュー④】

2014年はトロント・ブルージェイズで82試合に出場、プレーだけでなく、そのキャラクターもファンやチームメイトから愛された川﨑宗則。海をわたって3年間、メジャーでプレーして川﨑は何を感じたのか。日本とアメリカの野球の違いはあるのか? そして国内が注目している2015年の所属先について、そのビジョンはいかに……。自主トレ中の本人に直撃インタビューを行った。最終回は、メジャーでも注目された川﨑流コミュニケーション術についてだ。

2015/01/07

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自分たちのやりたいことをやれる時代に来ている

――メジャーでやっていて、日本人としての誇りをどんなときに感じますか?
 
川﨑 誇りなんて感じないですよ。誇りなんて、そんな堅苦しいことはないですね。野球こそ僕にとっての最高の生きがいですからね。メジャーに行って日本人の誇りなんてないし、僕にとっては野球だから。所詮、野球ってことですよ。言葉は通じなくても、グラウンドに行ってボールを投げたり、キャッチボールはできるわけですよ。ちょっと(ボールを)曲げるよ、と日本語で言ったとしても、雰囲気と格好を見れば、相手もOKってなる。そういうところで、野球をやっていてよかったなと思います。
 
――なるほど。
 
川﨑 日本人内野手がどうこうって言うけれど、みんな僕は大成功していると思うんですよ。みんなアメリカに行って、日本に帰ってきて、いろんな経験をして、それをまたみんなに伝えているわけですよ。これこそが成功なんですよ。メジャーの経験っていうのは、話のネタにも絶対なっている。だから皆さんが成功した、失敗したと盛り上がっていますが、生きている限りには失敗なんていくらでもあるし、そもそもアメリカに行っている先輩達は大成功した人しか僕は見ていません。だから僕もこうやって3年連続アメリカで行っているわけだし。日本人の何かを覆したいとかそんなのはないし、そんなことにはとらわれていない。僕はアメリカの野球でいろんなことを教えてもらったので、それをまた自分の息子が野球していたら教えたいと思うんです。
 
――アメリカの野球で教わったこととは具体的にどんなことでしょうか?
 
川﨑 ドミニカ式のスローイングはこうなんだぜ、とか、ロビンソン・カノーって選手がいて、こんなすごいプレーするんだ、といったことを教えたいですね。とにかくアメリカに行った選手はみんなそれぞれいい経験をして帰ってきている、みんな成功しているんです。まあ僕らはプロで、そういう世界に生きているから何を思われても構わない。ただ一緒に飲んでみたら、面白い話がいっぱい出てくるんですよ。マイナー経験の話とかめっちゃ面白いと思いますよ。バスの床で寝たとか、そういう話って自分が行ってみないと聞けない話じゃないですか。そういう話から、やっぱり(アメリカは)こういうところかっていうイメージも日本の人たちもできて、日本とアメリカがもっと近くなる。今から自分たちのやりたいことをやれる時代に来ているんです。どんどん自分の世界を広げていけばいいと思うし、日本だけでやろうと思う選手も、それはそれで素晴らしい。まあ日本の外に出たい選手もいて当然ですよ。
 
――それでは、このインタビューも締めたいと思います。まず2015年の抱負をお聞かせください。
 
川﨑 抱負は、子育て。やっぱりオムツを変えるテクニックとかを上達させたい(笑)。野球はね、どうなるかわからないけれど、もうなるようになる、と思いますよ。まだ野球辞めるつもりはなくて、まだやりたいですよ。なので、野球は今年も続けます。
 
――最後にファンの方々へメッセージをお願いいたします。
 
川﨑 2015年川﨑宗則ニューバージョンをみなさんに見せたいと思います。毎年、曲を作っているんですけれど、今回の曲は、おそらくビッグヒットになるんじゃないかっていう、いい曲を作っています。すごく僕の荒々しい姿が出ている曲なんで、2015年の川﨑宗則の〝新曲〟を楽しみにしていてください。
 
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川﨑宗則(かわさき・むねのり)
1981年6月3日生まれ、鹿児島県出身。鹿児島工から1999年ドラフト会議において、福岡ダイエーホークスに4位指名され、入団。3年目の2003年からレギュラーに定着。その後は球界を代表する、ホークスの不動の遊撃手として活躍した。2012年に憧れのイチローを追いかけて、シアトル・マリナーズへ入団。翌年、トロント・ブルージェイズへ移籍。2014年は82試合に出場した。ムードメーカー的な存在で、国内外問わず、多くのファンから愛されている。

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