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アメリカに行って、準備の概念が変わった!【川﨑宗則、単独インタビュー②】

2014年はトロント・ブルージェイズで82試合に出場、プレーだけでなく、そのキャラクターもファンやチームメイトから愛された川﨑宗則。海をわたって3年間、メジャーでプレーして川﨑は何を感じたのか。日本とアメリカの野球の違いはあるのか? そして国内が注目している2015年の所属先について、そのビジョンはいかに……。自主トレ中の本人に直撃インタビューを行った。2回目は、アメリカに行って変わってきた自分自身のメンタルについてだ。

2015/01/04

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メジャーのボールには、最後まで慣れないと思う

――メジャーにはすごい投手がたくさんいます。やっぱり日本の時と比べてストレートの重さや変化球などの質は違う?
 
川﨑 やっぱりアメリカのほうが、ボールがよく動くっていうのはあると思います。ピッチャーの質がどうっていうのは、日本のピッチャーも高いしタイプが違う。どっちが高いかっていうのは言えないですね。日本も世界トップクラスだと思いますよ。
 
――ボール自体も違います。メジャーのほうが大きくて、少し重い。そこは3年間でうまく対応できてきましたか?
 
川﨑 いや、できていないですね。それは多分できないと思う。日本でもできなかったんだから、できないまま終わるんだと思う。やっぱり試行錯誤しているけれど、難しいですよ。
 
――日本でもできなかった?
 
川﨑 できなかったですね。日本でも、人工芝に最後まで慣れなかったです。慣れることなくやってきたから、多分慣れることはないんでしょうね。それと同じで、今後も試行錯誤しないといけない。
 
――打席では配球を読んで打つのでしょうか?
 
川﨑 いや、配球は読まないです。来た球を打ちます。
 
――メジャーで、なかなか内野手が通用しないと日本のメディアで報道されることがあります。ご自身、やはりその難しさを感じることはありますか?
 
川﨑 ありますよ。アメリカはもちろん芝が違うし、捕り方も違う。それは当然ですよね。小さい時からの環境の違いや、やっぱり身体能力っていう部分もありますから。日本人ができないことも、メジャーリーガーはできる。ラテンの選手でも、アメリカの選手でもメジャーで上手な選手は、果てしなく上手ですよ。元々持っているものにプラスして、そうやって(日本と違う環境や身体能力の下で)教えられているっていうね。そういう違いがあって、僕は30歳にしてそれをメジャーで教えてもらっている。今はそういう状態ですね。まあ教えてもらうのが20年遅かったと……でも、30歳にして教えてもらったんで、すごくラッキーだなとは思っています。
 
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川﨑宗則(かわさき・むねのり)
1981年6月3日生まれ、鹿児島県出身。鹿児島工から1999年ドラフト会議において、福岡ダイエーホークスに4位指名され、入団。3年目の2003年からレギュラーに定着。その後は球界を代表する、ホークスの不動の遊撃手として活躍した。2012年に憧れのイチローを追いかけて、シアトル・マリナーズへ入団。翌年、トロント・ブルージェイズへ移籍。2014年は82試合に出場した。ムードメーカー的な存在で、国内外問わず、多くのファンから愛されている。

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