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【MLB】米メディア「ヤンキース再建のため、田中将大をトレードに」。高評価変わらずも、来年オフFAの可能性で

来年オフに、自分の意思でFAとなることを選べるオプトアウト条項を有するヤンキースの田中将大。米スポーツサイト『ファンサイデッド』は、田中をトレード要員の一人に挙げた。

2016/11/02

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実現性は低く、田中の高評価は変わらず

 常套手段として、7月末のトレード期限を待つ手もある。まずは優勝を目指して来季を迎え、7月末にプレーオフ進出が難しければトレードに動くというのは、どのチームもとる作戦。実際に今季のヤンキースも7月下旬に一度はプレーオフを諦め、アロルディス・チャップマン、アンドリュー・ミラー、カルロス・ベルトランをトレードで売り出し、他球団の金の卵たちを集めてまわった。

「ただその場合には田中の右肘の健康状態というリスクを背負う」と同氏は指摘。1年目に靱帯損傷という爆弾を抱え、来季も年間通してローテーションを守れる確証はない。そうなるとトレードチップとしての価値も急落する。今が売り時、というわけだ。

「このプランがどれほど現実的かって? まあ実際そうではないだろう」と最後に同氏は結ぶ。「来季のチームは田中抜きではプレーオフ争いにも加われないだろう。ようするに、彼は来季もチームに居続けなければならない」と田中の評価は高い。そして、評価が高いからこそ、トレード要員として浮上するのも米球界ならではなわけだ。

 テキサス・レンジャーズのダルビッシュ有も、来季終了後に6年契約を満了し、FAとなる。今季終了時に日米メディアを前に総括する際には「僕も含め、本当にどこに行くのか分からないので。本当にそれはあり得ることですから」と自らトレードされる可能性に言及していた。

 もちろんメジャーでも「放出」の意味合いが濃いトレードもたくさん存在する。それでも基本的にはネガティブなケースは少なく、あくまで相手から必要とされた場合にトレードは成立する。

 田中のトレードの可能性は、筆者が最後に指摘した通りほぼゼロに等しいだろうが、要員に名前が挙がること自体が一流プレーヤーの証と言えよう。

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