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【MLB】的中率の高い計算式で見る、田中将大のサイ・ヤング賞受賞の可能性

米メディアでは、アリーグのサイ・ヤング賞の候補の一人として田中将大(ヤンキース)の名前があがっている。はたして、実際その可能性はどこまであるのだろうか。

2016/09/12

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サイ・ヤング賞ポイントとは?

 ナリーグもそうだが、アリーグのサイ・ヤング賞レースはさらに混沌としている。さまざまなメディアが多くの投手を候補に挙げていて、そこには田中将大(ヤンキース)の名前もある。
 
 9月10日の登板を終えた時点で、田中は186回2/3を投げて、13勝4敗、防御率3.04、奪三振率7.71(奪三振160)、与四球率1.49(与四球31)、K/BB5.16の成績を残している。勝利数はそう多くないものの、防御率と与四球率はリーグ3位、K/BBは4位と優秀だ。
 
 ただ、他の投手と比べなければ、サイ・ヤング賞の可能性は見えてこない。また、いくつかの数値とその順位を並べて比較しただけでは、わかりにくい。そこで今回は、セイバーメトリクスのアナリスト、トム・タンゴ(別名タンゴ・タイガー)が提唱している「サイ・ヤング賞ポイント」を使ってみた。
 
 このポイントは「イニング÷2-自責点」「奪三振÷10」「勝利数」の3つを足したものだ。WARと違い、割と簡単に計算できる。しかも、サイ・ヤング賞と一致する確率は、防御率やWARを凌いでいる。過去5シーズン(2011~15年)にそれぞれリーグ1位のポイントを記録した10投手のうち、8投手まではサイ・ヤング賞を受賞した。さらに、残る2投手もサイ・ヤング賞投票2位に入り、どちらの場合も受賞したのはポイント2位の投手だった。
 
 現在、田中は59.3ポイントだ(「186.6÷2-63」+「160÷10」+「13」=59.3)。その上には、クリス・セール(ホワイトソックス/65.1ポイント)、リック・ポーセロ(レッドソックス/64.4ポイント)、コーリー・クルーバー(インディアンス/63.1ポイント)、ジャスティン・バーランダー(タイガース/61.4ポイント)の4人がいる。
 
 田中がここから、過去5年のサイ・ヤング賞に当てはまるポイント1~2位に躍り出ることは、少し難しそうだ。だが、13勝目を挙げた9月10日の7回1/3、自責点1、奪三振10をあと4試合繰り返せば、78ポイントに達する。そうなると、順位はともかくポイント自体は上にいる投手と僅差になり、サイ・ヤング賞受賞の可能性も出てくるのではないか。投票の直前に快投を続ければ、記者に与える印象も強まる。

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