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【レ軍番米国人記者の眼】田澤・上原への依存再び――スミス今季絶望も補強せず、2人は不運の被害者

現在、レッドソックスは首位だが大きな懸念材料ができた。それはリリーフ陣の一角のカーソン・スミスの離脱だ。この離脱によって再び上原・田澤の登板機会が増える可能性が出てきた。

2016/05/27

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スミスを獲得した目的

 今週のボストン・レッドソックスは不運に見舞われた。リリーバーのカーソン・スミスがトミー・ジョン手術を受けて2017年まで戦線離脱をすることが明らかになったのだ。

 スミスにとっても気の毒な話だが、この不運の“被害者”は彼だけではない。

 レッドソックスのブルペンからスミスが消えるのは、上原浩治、田澤純一にとっても嫌な知らせだ。

 つまり2人の日本人投手に対して、今まで以上の負担がかかることを意味し、その結果、彼らがケガを被る可能性は、今以上に高まったとも言える。

 さらにレッドソックスは今のところ、スミスの抜けた穴を埋める投手を獲得する必要はないと語っているが、私はこの言葉を信用しない。
 もし同意する人がいるならば、私は球団に対して、新しい中継ぎ投手を加えることが急務である理由を、説明する必要があるだろう。

 このオフにトレードでスミスを獲得した最大の理由は、彼が若くて素晴らしいリリーバーだったからにとどまらない。
 彼とクローザーのクレイグ・キンブレルが加入し、ブルペン陣の厚みを加えることで、41歳の上原と、長年酷使されてきた田澤に休養を増やすことこそが、大きな目的だった。

 実際、スミスの手術のニュースが発表された直後、ジョン・ファレル監督に対して記者から上がった質問は、田澤と上原の名前ばかりが飛び出した。

 誰もがスミスの不在は、チームにとってマイナスととらえている。そして、今、ブルペンの要である田澤と上原が窮地に追い込まれているのだ。

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