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イチロー、ナーバスになりながら途中出場で好成績を残す理由。「ヤンキースでルーティンを学んだ」

現地4日、イチローは自身初となる代打での決勝打を放った。ヤンキース時代に控え選手としてのルーティンを学んだというイチローは、マーリンズでも新しい役割に適応し続けている。

2016/05/07

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途中出場のほうが準備で大変

 特に目立つのは途中出場時のバッティングだ。先発出場6試合で24打数6安打に対し、途中出場時には12打数6安打で打率.500だ。途中出場でも好成績を残しているイチローだが、ベンチプレイヤーという役割については未だに適応している最中だという。

“I go back to my days in New York when I had to learn how to come off the bench. I think I’ve found that routine and what I have to do, and I’m ready,” he said. “Fifth inning on, I’m ready to go at any time. Obviously, I’m still nervous, like [Tuesday] night. I was really nervous at that at-bat.”
「いかにして途中出場するかを学んだヤンキース時代に立ち返っています。自分は(ヤンキースでプレーしていた時に)控え選手としてのルーティンと何をしなければいけないのかを学びました。そして今では準備ができています」とイチローは語る。「5回にはどの場面でも試合に出ていける準備は整っています。未だに火曜のようにナーバスにはなりますが。あの打席は本当に緊張しました」

 マリナーズ時代はほぼすべての試合に先発出場していたイチローだが、ヤンキース移籍後は選手層の厚さや守備面での衰えもあり、先発出場の機会が減少。特に移籍3年目の2014年には、過去13年連続で550以上だった打席数が385と激減し、スタメンでの出場も100試合を割った。スタメンでの出場が叶わないヤンキース時代がイチローにとって厳しい時期だったことは想像に難くないが、当時の経験は今に活かされているようだ。

 そんなイチローは、控え選手となることでプレー機会が減少するからこそ、常にフレッシュな状態でいられるという意見には反対だという。

“I think I get more tired not playing in the game because of the way I prepare. It’s probably more work,” he said. “Mentally you’re in the game ? you don’t know when you’re going in so you’re using all sorts of energy that way.
「準備があるため試合に出ない時のほうがより疲れると思います。たぶん仕事量は多いので。精神的にはゲームに入っていますが、実際にいつ出場するかは分かりません。なのでそこに全神経を注いでいます」

 今季はオズーナこそ調子が上がりきらないものの、スタントンとイェリッチはともにOPS.900以上と好調をキープしており、イチローには昨年ほどの出番は与えられない可能性が高い。この先のシーズン、控え選手としてイチローがどのようにチームに貢献していくのか、注目したい。

出典:Ichiro nervous, but delivers in clutch for Marlins by Craig Davis in Sun Sentinel on May.4 2016

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