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【MLB】ダルビッシュ有へ高まる期待感。レ軍元指揮官「すごい復活の仕方をする。敵にとっては実に迷惑なこと」

ダルビッシュのリハビリプログラムも、いよいよ最終段階に入りつつある。当初予定されていた26日の2A登板は1日に延期となったが、これも完璧なコンディションでの復帰を望むダルビッシュ本人の強い要望によるもの。マイナーで約1カ月調整のうえ、メジャー復帰が見込まれている。

2016/04/24

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地元メディアもダルビッシュに高い関心

 テキサス・レンジャーズに所属するダルビッシュ有のメジャー復帰が近づいてきた。昨年3月に右ひじ側副じん帯の損傷でトミー・ジョン手術を受けてから1年強。長いリハビリはついに最終段階へと入り、打者を相手にした投球練習も行っている。

 4月21日(日本時間22日)にはヒューストン・アストロズ戦に備えたチーム練習のフリー打撃で本拠地グローブライフ・パークのマウンドに立ち、圧巻の投球を披露。3イニングを想定した実戦形式の投球で計47球を投げ、通算200本塁打の強打者ジョシュ・ハミルトンから見逃し三振を奪うなど延べ12人の打者に安打性の当たりを1本も許さず、計5つの三振を奪った。

チームは当初4月26日(同27日)の傘下2Aフリスコ・ローライダーズ戦に登板させる方針を決めていた。しかしながら完璧な状態での復帰を望むダルビッシュが再度の投球練習を首脳陣に強く要望。これにより同日26日は再度本拠地でのフリー打撃登板となり、2Aでの実戦登板は5月1日(同2日)に延期されることになった。それでも当初の復帰プランに特段変更はなくマイナーでの調整登板を経て、ジョン・ダニエルズGMはメジャー復帰のメドを5月中旬から下旬と見込んでいるという。

 こうした事細かな現地発のダルビッシュ関連情報は地元メディアがほぼリアルタイムで発信を続けている。特に21日のフリー打撃については、番記者である複数のビートライターたちが現場からツイッター動画中継アプリ「ペリスコープ」を使って、生配信していたほど。多くのユーザーたちが視聴し、関心が高いことをうかがわせた。

 ただし周囲からダルビッシュ復帰に期待が高まる一方、一抹の不安もよぎる。ヒジのじん帯を修復するトミー・ジョン手術を受け、果たして術前と同じような投球ができるのかという疑念があるからだ。このトミー・ジョン手術においては「術後に球速や球威が増した」との事例が過去にあった反面、思うような結果が出ずに苦労するケースも少なくない。最悪、手術を受けたものの好転せずに再発を繰り返して引退へと追い込まれるパターンも実際のところ多々ある。

 特にここ最近、多くの日本人ファンにとってトミー・ジョン手術の印象はあまりいいものではないはずだ。それは、やはり松坂大輔の事例があるからだろう。ボストン・レッドソックス時代の2011年6月に右ひじのトミー・ジョン手術を受け、約1年のリハビリ期間を経てメジャー復帰を果たしたが、それ以降は誰の目にも明らかに投球スタイルが大きく変わり、往年のような力強い投球と安定感が欠けるようになってしまった。

 2013年8月から2014年まで在籍したニューヨーク・メッツでは先発とリリーフの両面でやや復活の兆しを見せかけたものの、シーズン中に右ひじに炎症を引き起こしてDL(故障者リスト)入りするなど〝爆弾〟を抱えながらの綱渡り投球だった。昨シーズンから所属する福岡ソフトバンクホークスでは昨年8月に再び右肩手術を受けるなどコンディション不良や不調続きで、まだ一度も一軍公式戦のマウンドに立てていない。

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