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【MLB】采配に影響?さらに進む現場でのデータ化。アップルと提携でiPadがベンチで利用可能に

MLB全チームにiPad Proのタブレットが配布されることが正式に決まったと、アメリカの経済紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』が報じた。

2016/03/30

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不可能だったことを可能にするiPad導入

 アップル社とMLBが複数年のパートナーシップ契約で合意、全チームにiPad Proのタブレットが配布されることが正式に決まったと、アメリカの経済紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』が報じた。iPadがメジャーリーグのベンチに導入されると、コーチ陣にとってはデータを活用する環境がさらに整うことになる。
 
 MLBから各球団の監督・コーチ陣にはMLBロゴがあしらわれ、頑丈なケースに守られた12.9インチのiPadProが提供される。
 主にアップル社と共同で開発された『MLBダグアウト』というアプリが活用されることになる。
 
 コーチ陣は、そのアプリを活用すれば現時点やこれまでのシーズンの成績など、詳細なデータを見ることができる。
 
 そして代打を送るべきかという決断を手助けする、数字や打者がどの方向に打球を打つ傾向があるのかがわかるスプレーチャートもアクセス可能となる。さらには前試合の映像もその場で見ることができる。
 
 アップル社のマーケティング担当フィル・シラー上級副社長は「(資料を束ねた)バインダをタブレットに代えるだけではなく、以前までは不可能だったことを可能にする」とiPadをベンチに持ち込む利点を語っている。
 
 これまで選手たちが前試合の投手や打者の映像を見るにはクラブハウスに戻る必要があったが、これからはベンチでその映像が手に入る。
 
 選手のデータが詰まったiPadをコーチ陣に提供することはこれまでいくつかの球団から求められていたと、マンフレッドコミッショナーも話している。同時にこの契約は、今までベンチ内で禁止されていたノートパソコン、タブレット、携帯の使用禁止を除外することになる。マンフレッドコミッショナーは導入の理由をさらに語っている。
 
“I started in this game 25 years ago and the single biggest change has been the emergence and predominance of analytics, It affects the way we judge players, make decisions on the field and the way fans consume the game.”
「25年前から野球に携わってきたが、(当時から)一番大きく変わったのはアナリティクスの出現とその優越性だ。選手への評価、グラウンド上での決断、そしてファンの野球への見方に影響を及ぼしている」

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