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【MLB】セットアッパーへ配置転換、上原浩治の意地――ストッパー奪還に燃える理由

レッドソックスの上原浩治がメジャー8年目に挑む。負傷明けの今季は、クローザーからセットアッパーへの配置転換が決まっており、新しいポジションで再び結果が求められる。

2016/02/07

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雑草魂で歩む、プロ野球人生

 背番号19のプロ18年目、メジャー8年目がやってきた。
 レッドソックス・上原浩治のことだ。だが今年4月で41歳を迎えるベテラン右腕にとって2016年シーズンは、厳しい戦いが待ち受けている。
 
 昨年8月3日のタイガース戦で打球直撃によって右手首を骨折。オフは今季からの復活を目指してリハビリに務めた。すでにブルペン投球を開始しており、患部は回復。2月中旬から始まるスプリングトレーニング、そしてシーズン開幕へ向け、確かに右手首は本来の状態へと順調に戻りつつあるようだ。
 
 しかしながら今季は、もう1つのハードルが上原には立ちはだかっている。チーム内の生き残り競争が激化することだ。
 昨年11月にレッドソックスはメジャー通算225セーブのクレイグ・キンブレルをパドレスから獲得。そのキンブレルのストッパー起用が決まり、上原は今季からセットアッパーへ配置転換されることになった。
 
 チーム方針である以上、素直に受け入れるしかない。
 とはいえ、それまで守護神の座を務めていた上原にも意地がある。だからこそ日本の各メディアを通じてストッパー奪還宣言をぶち上げているわけだが、競争相手はメジャーの中でも現役最強クローザーとの呼び声が高い大物中の大物。しかも今年5月で28歳となるキンブレルは年齢的に見ても脂の乗り切った年代の選手だ。41歳で負傷明けの上原がクローザーに再び返り咲くことは普通に考えると、なかなか簡単な道のりではない。
 
 それでも上原は自分を追い込むようにして『内なる戦い』に臨もうとしている。TV番組にゲスト出演した際には、「今年成績が悪かったら引退」とまで明言したほどだ。そこまであえて逃げ道をなくそうとするのはナゼなのか。それは入団時からモットーとしている「雑草魂」の習性であろう。それゆえに逆境になればなるほど上原浩治という男は闘争心をメラメラと燃やす。

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