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【アメリカの眼】全投球の95%が速球。「速球しか投げない投手」を補強したロッキーズの新たな実験

ロッキーズが今オフ獲得した2投手は速球の割合が95%にも上る、速球しか投げない投手として知られている。変化球が曲がりづらい本拠地の特性を克服するべく講じたロッキーズの補強策は吉と出るのだろうか。

2016/01/31

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これまでの補強方針から転換

 今回のロッキーズの補強策はこの点を逆手に取ったものだ。
 
Rather than collect pitchers who would be handicapped from the start by an inability to use all their pitches at home, Colorado seems to have made it a point to collect pitchers — two, anyway — who go with fastballs as their best pitch, and in theory can use their entire toolbox, as opposed to other pitchers who can’t.
ホームで全ての球種を使えず初めからハンデを抱える投手を集めるぐらいなら、速球がベストピッチである、そして他の投手とは対照的に全ての持ち球を使えるという2点にポイントを絞って投手を集めたほうが良いと考えたのだろう。
 
 つまり変化球が使いづらいなら変化球に頼らない投手、つまり「速球だけしか投げない投手」を集めればいいのではないかというわけだ。
 
 ロッキーズはこれまで打球が飛びやすいということを考慮し、ゴロを打たせることを得意とする投手を中心に集めるなど多くの対策を打ってきたがその効果は未だに出ていない。
 
 今季のチーム防御率はリーグ唯一の5点台、4年連続チーム防御率リーグワーストというのがその答えだ。ちなみに速球中心の投手はその多くがフライ系であり、モットやマギーもその例に漏れずフライ打球率が非常に高い。これまでのロッキーズの補強策とは真逆のタイプの投手だ。
 
 昨年57試合に投げて8勝1敗6S、防御率3.91のモットや39試合に登板、1勝2敗6S、防御率2.41のマギー。ロッキーズによる2人の中堅リリーバーを用いての実験はどのような結末を迎えるのだろうか。
 
 その結果次第では、チーム結成以来苦しんできた投手陣に希望の光が差すかもしれない。
 
 
出典:Rockies collecting fastball specialists in McGee, Motte by Mike Petriello in MLB.com on Jun.28 2016

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