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【アメリカの眼】「ダルビッシュ有まで徹底調査」MLBが賭博行為に極めて敏感なワケ

日本在住の弟の逮捕でダルビッシュまでMLBに調査されたというのはいささかショッキングだが、賭博関連はどんな些細な噂も看過しないMLBの方針の現れだ。

2016/01/26

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過去に苦い歴史

 賭博行為を禁じた野球協約21条は、メジャーリーグ球団のクラブハウスによく見えるように掲示されているという。かつて(1919年)、ワールドシリーズでホワイトソックスの選手8人がギャンブラーから金銭を受け取り、試合を投げたとされる「ブラックソックス事件」という汚点を経験しているMLBは、賭博疑惑に関し極めて敏感だ。過去、MLBは元スーパースターに対しても過剰とも思える対処を取ってきたことも紹介されている。
 
Commissioner Bowie Kuhn suspended Hall of Famers Mickey Mantle and Willie Mays in 1983 after they took jobs with casinos in Atlantic City. N.J. Commissioner Peter Ueberroth lifted the suspension in 1985.
1983年に当時のボウイ・キューン・コミッショナーは、殿堂入りを果たしているミッキー・マントルやウィリー・メイズに対しても彼らがニュージャージー州アトランティックシティーのカジノに絡む仕事を受けたとして追放処分を科した(訳者注:正しくは83年に処分を受けたのはマントルだけで、メイズは79年だ)。1985年に、コミッショナーのピーター・ユベロスは処分を解除したのだが。
 
 このMLBの慎重を期す調査に、ダルビッシュ自身も事前に理解を示していたことも紹介されている。
 
「話が出た以上、MLBは当然調査すべきだと思う。でもこれでぼくが一切関係ないことがわかるんじゃないか」
 
 ダルビッシュが事件に関与していなかったことだけでなく、MLBはどんな些細な賭博行為の噂も看過しないことをファンが再認識することになったのだ。
 
出典:“MLB clears Yu Darvish of involvement in brother’s gambling ring”@ Big League Stew by Mark Townsend in Jan. 23rd 2016

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