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【MLB】指揮官は日本人選手を熟知。レギュラーは絶望的、川崎がカブスで生き残る道

去就が未定だった川崎宗則がカブスとマイナー契約を結んだと米メディアは報じた。

2016/01/22

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ユーテリティー選手として

 では、チームは何を求めて川崎とマイナー契約を結んだのか。
 マドン監督はレイズ時代から、複数のポジションを守れる選手を重宝してきた。このオフ獲得したゾブリストもそうだったし、現在はパイレーツに所属するショーン・ロドリゲスらも。選手の状態や、相手投手や球場との相性を見据えた起用法に定評があり、そのやりくりを可能にしたのが彼らユーティリティー選手の存在だった。
 
 他の選手を休ませるため、ゾブリストに外野や遊撃、三塁を守らせることもある。ラッセルも昨年は半分以上は二塁を、バエズにいたっては内野全4ポジションを守った。フレキシブルな采配を振るうために、川崎のような「便利屋」が必要かつ、重要であることを指揮官は認めている。
 
 昨季在籍した和田は力を発揮できず退団したが、マドン監督はレイズ時代の07~09年には岩村明憲と固い絆で結ばれていた。
 
 08年には三塁手だった岩村をチーム事情でセンターラインの二塁へコンバートし、1番打者に据えることでチームはワールドシリーズに初出場。「常に献身的な日本人選手は脇を固めることをいとわず、その能力にも長けている。彼らがチームの良いスパイスになれるかどうかで、メーンディッシュの食後感は変わる」と日本人選手の勤勉さや選球眼、野球偏差値の高さなどには一目を置いている。
 
 ブルージェイズに在籍した昨季はメジャー4年目で自己ワーストの23試合と、その便利ささえ発揮する場面を与えられなかった川崎。チームメートやファンからは愛されたが、球団首脳との関係は決して良好には映らなかった。
 
 大胆で斬新なタクトを振るう指揮官の眼鏡にかなえば、生き残りを懸けたメジャー5年目の出番は飛躍的に増えそうだ。

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