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チームとメディアの架け橋に。MLB、各球団にスペイン語通訳雇用をルール化へ

MLBは2016年シーズンからスペイン語通訳を導入するという新制度を設けることとなった。

2016/01/13

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通訳導入でメディアとの架け橋にも

 すでに多くの球団にはスペイン語と英語を話せるスタッフは存在するが、MLBは新制度を導入することでリーグ全体として同じ意識を共有したいようだ。スウイック記者もこれまでの現状をこう述べる。
 
“Most teams do designate a translator for Spanish-speaking players, but it’s usually another player who is bilingual, a member of the training staff or someone else in the front office. The new program will ensure there is one person designated as the team’s translator. “
「多くのチームはスペイン語圏の選手に通訳を設けているが、大抵はバイリンガルな選手、トレーニングスタッフやフロントの人間がおこなっている。この新制度により、指定された1人が常にチームの通訳として中に入ることになる」
 
 これまでも「通訳できる人間がチーム内に存在したものの完璧な仕組みではなかった」と、スウイック記者はある出来事を例にあげる。2014年にはニューヨーク・ヤンキースに所属するベテラン外野手のカルロス・ベルトランがスペイン語通訳の必要性を訴えていた。それはある出来事がきっかけとなっていた。
 
 マイケル・ピネダ投手が松ヤニの使用で退場処分を受けた後に、英語で報道陣への対応を余儀なくされた例だ。「今後はこの新制度により、選手だけではなく報道陣も恩恵を受けるものになる」と、スウイック記者は述べる。
 
 グローバル化が続くメジャーリーグにおいて、新たな制度が誕生することとなった。さらに言語のスペシャリストたちが野球界に関わることになり、選手だけではなくメディアにとっても新たな可能性が広がるだろう。
 
“The policy should be beneficial to all sides. Players who speak Spanish will now have a full-time translator available, the employees who were previously translating will have less on their plates and members of the media will have an easier time getting interviews from players if there is a language gap. “
「新制度は両者にとって有益なものになる。スペイン語圏の選手はこれで常時通訳が用意され、これまで通訳を兼務していたスタッフへの負担は減ることになり、メディアの人間にとっても言葉の違いが受け入れられればよりインタビューに答えてもらえることになるだろう」
 
出典: New MLB rule will require teams have full-time Spanish translators by Chris Cwik in Big League Stew on Yahoo Sports on January 12, 2016
 
MLB teams must hire full-time Spanish translators for 2016 by Jerry Crasnick in ESPN.com on January 12, 2016

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