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【MLB】カズミア・前田獲得、3Aに有力な若手投手……ドジャース、地区V最有力候補の声も

ロサンゼルス・ドジャースはザック・グレインキーを失い、大物FAの獲得が実現せず2016年シーズンへ暗雲が立ちこめたが、カズミア・前田の獲得でなんとかなる戦力が整ったと、『MLB.com』で先発ローテーションを分析した特集記事が組まれた。

2016/01/06

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ドジャースの強みは先発ローテの後にある

 2015年のグレインキーが記録した投球回数222.2イニング、防御率1.66をドジャースは1人で補うことはできないだろう。2015年シーズン、ドジャースはカーショウとグレインキーが先発した試合では43勝22敗だった。それ以外が先発した試合では49勝48敗。
 
 ドジャースは先発1・2番手で21試合を勝ち越すことは難しいだろうが、後の3人からは昨季以上の成績が見込めるだろうと、ジャスティス氏は予想する。ドジャースにとって他のナ・リーグ西地区の先発ローテに比べ有利な要素はそこにあると指摘する。
 
 ベテランのアレックス・ウッドとマイク・ボルシンガーは2015年合わせて33試合に先発。チームはその間、16勝17敗。キャンプではその2人が最後のローテーション枠を争うことが予想され、シーズン中にも貴重な戦力となるはずだ。さらにはベテランのブランドン・マカーシーも右肘の手術からのリハビリがうまくいけばオールスター以降に即戦力として期待される。
 
 そしてドジャースは3Aで有望な若手が多く控えている。アンドリュー・フリードマン編成本部長もトレードを躊躇した19歳左腕のフリオ・ユリアス、23歳右腕のホセ・デ・レオン。そしてトッド・フレイジャーの三角トレードにより、22歳右腕のフランキー・モンタスを獲得し投手の層はさらに厚くなった。
 
 グレインキーがチームを去ってから、フリードマン編成本部長はマーリンズのホセ・フェルナンデス、レイズのジェイク・オドリジー、インディアンスのカルロス・カラスコらの獲得を目指して各チームに話を持ちかけた。
 
 だがフリードマン編成本部長は納得のいくトレードを敢行することができずにカズミア、前田の獲得に動き、数多くの若手投手をチームに残した。
 
 3人の有望な若手を残しつつ、2016年も戦える先発ローテーションを揃えることができたのはアンドリュー・フリードマン編成本部長の我慢強さと創造性によるものだ、と高く評価する。2016の勝利もしくは将来性のどちらかに偏るのではなく、両方を維持した結果となった。
 
 フリードマン編成本部長はドジャースに加入後、プレイヤー・ディベロップメント(選手育成)とドラフトでチームを作り上げていくことを公言していた。その信念を崩さずに地区優勝を狙えるチームを維持することができた。
 
 今後ストーブリーグでさらに動く可能性はあり、グレインキー離脱はチームにとって痛手になるだろうが、それでも現時点ではなんとかなりそうだ、とジャスティス氏は締めくくった。
 
出典: LA in good spot despite offseason twists, turns by Richard Justice in MLB.com on January 5, 2016

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