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【MLB】2015年は「難」――故障や不振……次々に日本人選手を襲ったアクシデント

2015年日本人メジャーリーガーにとっては、怪我や不調に泣く厳しい1年だった。

2015/12/31

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年間通じてメジャーで戦い続けたのはイチローのみ

 終わってみれば開幕から最後までメジャーで戦い続けたのはマーリンズ・イチローただ一人。そのイチローも自己ワーストの打率.229に沈んだ。「自分の数字は目を疑うもの」と述懐している。

 日本人メジャーリーガーは一人も規定投球回、規定打席に到達しなかった。これは野茂英雄がメジャーデビューした95年以降では初めてのことだった。

 昨年はロイヤルズ・青木がワールドシリーズに進出し、一昨年はレッドソックスの上原と田澤がワールドチャンピオンに大きく貢献した。だが、今季のポストシーズンでは、ヤンキース・田中がワイルドカードゲームに先発し敗戦投手となっただけ。ブルージェイズはリーグ優勝決定シリーズまで勝ち進んだが、川崎は一度も出場登録されなかった。

 車の世界なら日本からの輸入車は頑丈さがウリで大人気。
 だが、かつてはコストパフォーマンスの高さが買われた日本からの輸入メジャーリーガーは、故障しやすいというイメージが定着してしまった。

 故障で出番が減っただけでなく、パフォーマンスやチームの成績も振るわなかった。

 厄年となった1年を終え、2016年は汚名返上といきたい。
 2015年は韓国プロ野球出身で初の野手となったパイレーツ・カンジョンホが活躍し、このオフは韓国バブルとも言える活況をていした。一人でも多くの日本人メジャーリーガーがケガなく仕事をすれば、また評価は覆っていく。

 受難の1年の中でも、岩隈のノーヒットノーランや、インディアンス・村田透の米5年目でのメジャー昇格など、来季につながる話題もあった。前者は日本選手の能力の高さを、後者は勤勉さと忍耐力を物語る。

 来年の年の瀬には、日本人メジャーリーガーを表す漢字は「福」だったと、笑顔で振り返られる、そんなシーズンが見たい。

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