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【上原浩治インタビュー#4】キンブレル加入も、8回のポジションを確保してからクロ―ザーを奪いにいく

いよいよ2016年を迎えた。昨年はシーズン途中で怪我のため離脱したものの、ボストン・レッドソックスの守護神として活躍した上原浩治選手。当サイトでは年末年始、4回にわたりインタビューを掲載する。最終回は2015年を振り返りつつ、今季への思いを聞いた。

2016/01/03

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ゆっくり、なだらかに

――メジャーのシーズンは長いです。一方、10月にシーズンが終わってから、オフも長いですよね。2月キャンプインまでたくさんの時間があります。どう過ごしていますか?

上原 ずっと練習しています。投げることに走ること、トレーニングしています。

――シーズンが終わってすぐに始めるんですか?

上原 ちょっとだけ休みますね。だいたい、10月頭にシーズンが終わって、1カ月ちょっとは休んで、ボールを触らずにトレーニングをしていますね。

――ということは1カ月休むといっても、完全に休むわけではないんですか?

上原 完全に休むのは10日くらいですね。そこから徐々に体を動かしていきました。

――日本だと秋季キャンプがありますけど、そういったところも違いますか?

上原 それこそ、自分でやらないといけないというのがアメリカ。選手によってはその時期でも試合をしています。ウインターリーグにいっている選手もいる。あるいは、専属トレーナーを付けて取り組んでいる選手もいる。

――ボールを投げ始めるのはいつからですか?

上原 11月頭から中旬です。今年はリハビリもあるので、10月から投げています。

――吉井理人コーチなどは早めに始めたほうがいいという意見をされていました。

上原 そうですね。年をとればとるほど、練習は早めに始めたほうがいいでしょうね。固まって休むというより、ゆっくりなだらかにしたほうが体も忘れない。

――「ゆっくり、なだらか」。アメリカ全体がそうなんでしょうか。見ていると、シーズンも4月に開幕しますけど、トップパフォーマンスのように思えません(苦笑)。

上原 みんな6、7月くらいからでいいくらいの考えでいますよ。

――その分、ポストシーズンはすごい熱量ですよね?

上原 みんな興奮していますよ。球場がそうさせるんです。

――上原投手にとって、ポストシーズンは今までにない舞台というとらえ方ですか?

上原 ポストシーズンは、いいポストシーズンも、悪いポストシーズンもあったし、いい経験ができているなというのはあります。みんなあの舞台を目指してキャンプからやっているわけですから、自然に盛り上がってきますし、興奮すると思う。常に心臓がバクバクしていますから、どう落ち着かせるのかが大事です。

――つまり、メジャーは自分でやらなければいけないし、なだらかに合わせていく?

上原 でも、年を取ったからそういう風になったかもしれない。若い選手なんか、今は遊んでいる時期ですよね?

――今、思えば昔からそうしたらよかったと思いますか?

上原 その感覚はあります。昔はゴルフばっかりしていました(笑)。あるときは2日間、大阪でゴルフして、東京に帰ってきて、またゴルフしてとか。もっと練習しておけば、もっと変わったかなと思う時があります。でも、それは年を取ったから、言っているんですよ。

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