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【MLB】起用の可能性は低くても、大きな戦力。26番目の選手として役割を果たす川崎

ブルージェイズが1993年以来22年ぶりのアリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。川崎宗則は出場登録されていないものの、確実にチームの力になっている。

2015/10/16

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川崎の人気ぶりは健在

 思い出されるのが対戦相手となるロイヤルズの、昨年のポストシーズンだ。地区シリーズからリーグ優勝決定シリーズまで、チームは7連勝でワールドシリーズまで駆け抜けた。その間、青木宣親は全試合に2番・右翼で先発出場。チームの快進撃に大きく貢献した。

 その一方で、フル出場は一度もなかった。必ず中盤以降に、代走か守備固めでジャロッド・ダイソンを送られた。シーズン終盤からそれがチームの形となり、ネド・ヨースト監督が「流れ」を変えることを嫌ったためだ。

 正直、交代する必要はないのでは、と首をかしげる場面も多かった。それでも代えた。必ずダイソンがコールされ、青木は試合終了の瞬間は必ずベンチで迎えた。

 アリーグ優勝決定シリーズでも、川崎はバックアップ要員としてチームに同行する。調子を見極め、出場登録が入れ替わるケースはまま見られるが、現在のチームを見渡すと故障者でも出ない限りは声が掛かることはなさそうだ。

 川崎はメディアに囲まれ「一緒に戦っている。でも、みんながやってくれた。みんながよくやったと思います」と話した。ベンチ入り25人に入れない、26番目の選手として、必死に自分にできることを探っている。そして、周囲の誰もがその力を感じている。

 一度も出場することはなかったが、試合後には中継局のインタビューに登場するなど、地元トロントでの絶大な人気は健在。川崎にしかできないやり方で、22年ぶりの頂点を目指すチームを盛り立てていく。

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