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【MLB】「久しぶりにすごく良かった」チーム勝ち頭の離脱で、田中へ懸かる期待

ヤンキース・田中将大が8日のオリオールズ戦に先発し、8回を6安打1失点に抑えた。チームは勝ち頭のイオバルディが故障で離脱。プレーオフに向けて、田中に対する期待は大きい。

2015/09/10

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同僚に持ち球を指南

 良き同僚であり、愛弟子でもあるイオバルディが戦列復帰できるよう、プレーオフ進出を力強く誓った。

 今季自身初の2ケタ14勝を挙げ、まだ3敗と抜群の勝率を残すイオバルディが、最も進化したポイントは新球スプリットの存在。そこにヒントを与えたのが田中だった。キャンプ中から握りやリリースポイントでの意識の持ち方など、2学年下にあたる右腕へ丁寧に伝えてきた。

 イオバルディは最速102マイル(約164km)を計時。現在メジャーの先発投手で最速にあたる、速球の平均球速96.7マイル(約156km)にばかり注目がいくが、それはマーリンズに在籍した昨季までも同じ。この魔球がイオバルディの投球を変えた。

 データサイト・ファングラフで球種別割合を見ると、昨季は速球が62.9%、スライダーが24.7%、カーブが9.4%、スプリットが3.1%だった。
 これが今季は速球が47.9%、スライダーが22.6%で、次いでスプリットが20.4%、カーブが9.1%となっている。完璧なスプリット投手にモデルチェンジしたのだ。

 その変身を支えたのが、メジャーでも屈指のスプリットを初年度の昨季から操った田中の存在だった。イオバルディも「スプリットを覚えて、投球の幅が大きく広がった。田中のサポートにも本当に感謝しているよ」と話している。

 その右腕は、早くてもプレーオフまでは帰ってこない。また、10日にはサバシアがDLから復帰し、先発投手6人制を再導入する方針だったが、イオバルディの離脱によりまたもや頓挫。その影響で田中の次回登板も、13日のブルージェイズ戦か、14日のレイズ戦か、不透明になってしまった。

 チーム勝ち頭の離脱で、田中へ懸かる期待はますます大きくなった。そして、それに応えるようにほぼ完璧な投球を演じた。ここまでチームを引っ張ってきたチームメイトへの思いも背負い、エースのエンジンもいよいよ乗ってきた。

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